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11 完全に癪に障ります ページ12

茨「あのー!もう少し遅く走ってもらえませんかー?」

『申し訳ありませんが速度を落とすことは出来かねます』

10分前

通信も終わりいざあいつが行こうとすると

「おーい、もしもし?聞こえてるー?」

『聞こえております、所長さま』

所長「おぉ、よかった。まだ出てない?」

『出ておりま「だったらAの主連れて来てくれない?」何故?』

「いや一回も見たことないなって。契約の確認とか色々気になるし、6年の間に更新しないといけないんだよ?知ってた?」

『七種さまはお忙しい方なの「言い訳は良いから!連れてきて!お願いねー!」・・・かしこまりました』

こちらを窺う目線は鬱陶しい
話は全部聞いていたのだからさっさと言えばいいのに

茨「自分もそちらに向かえばいいのでしょう?行きますよ」

『いえ、危険です。七種さまは安全なこちらでお待ちください』

茨「行かないと所長さんに怒られるのでは?」

『所長さまの怒声などたかが知れておりますので』

日和「行ってくればいいんじゃない?茨だってそういうところに昔はいた訳だし」

凪砂「気をつけてね」

ジュン「もし危なかったらAさんが守ればいいんすよ」

茨「ちょっと勝手にそんな」

『了解いたしました。皆様の大事な七種さまには傷一つ付けないままお返しいたします』

茨「はぁ・・・」

『では、失礼します』

あいつは自分を抱き上げると部屋を出て猛スピードで走りだした

茨「はっ!?ちょっと自分が何やってんのかわかってるんですか!?」

通り過ぎる人に「え!?」とか「副所長!?」とか言われる
いつもの自分とはかけ離れている姿、姫抱きだなんてEdenのイメージが崩れてしまう

『このようなご無礼をお許しください、ですが早く行かないと人質が死ぬ可能性があります』

茨「いやいやだからといってこういうのは」

『失礼ですが、七種さまは私と同じような速度で走れますか?』

風を切っているから早い、乗り物に乗っている様な気さえする
ビルの窓から家の屋根伝いに走っており、足場が悪い上見つかったらタダじゃ済まされないような気がする
正直自分に同じようなことを求められたら出来ない

茨「・・・早く着いてください」

『かしこまりました』


ビルを少し離れた場所に立派な建物があった
城までとはいかないが塔の一角のような威厳がある
中世ヨーロッパのような見た目のそれの前には人だかりが出来ている

12 もしかして戦力外ですか?→←10 色々と心配ですね


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
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作者名:ほたる | 作成日時:2020年8月10日 21時

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