兄貴のお気に入りに恋をした【灰谷竜胆】 (ページ19)

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19.鶴蝶のトレーニングページ19

｢鶴蝶…！どこまで、行く気だよ…！｣ｾﾞｪｾﾞｪ

｢お、これからのトレーニングを兼ねて
まずは走り込みと思ったけど、お前コレついてこれんだ。
やるな｣

｢なめんなよ！｣

｢息上がってっけどな｣

｢うるせぇ！｣

しばらく横浜の街を2人で疾走した後に足をとめたのは4階建てのビル。

｢ここだ｣

｢ンあ？こんな時間にジムが開いてんのか｣
｢こんな時間もなにも、今ピークで営業中だ｣
｢看板もねーのに？で、何階だよ｣

｢さて、行くか事務！！｣ビュッ

｢おいって！お前ちょっと変わってるって言われねぇ？！｣

まだ未知なる男、鶴蝶についていけば
中年のおっさんから若い男までいて

｢テメェら人の組に入りよって、何モンじゃあああ！！｣

ガチのヤクザが奥から次々と出てきては
ゴッ！
ガッ！

鶴蝶になぎ倒されていった。

｢竜胆！！どっちが多く倒せるか勝負、な！｣

｢ぇぇええええ？！あーくそ！！｣

俺は必死に暴れ回った。
人数なんか数えられねぇ、自分を守るのに必死で。

そのとき大将の
｢怪我せず死ぬ気でやれ｣って言葉がよぎる。

(そういうことかよ！これ普段からやってんのかこいつ！)

｢竜胆！全員ヤラねぇと後からが恐ぇぞ！｣
｢わかってるよ！！｣

中途半端にやると後日の奇襲に繋がる。
組を潰す気でやらねぇと返り討ちに合うのはわかってる。

｢竜胆！｣

｢なんだよ！ここで俺の名前呼ぶんじゃねーーよ！！｣
(覚えられんだろーが！)

｢イザナ命令だ！怪我するなよ！｣
｢無理だろ！！｣
｢怪我したら東卍との抗争で役たたねーからよ！｣

(あ、俺の心配じゃないんスね)

｢くっそ！！腹立ってきた！！ぜってー食らわねぇ！｣
｢はは、お前わかりやすい奴だな｣

この日は本当に必死で、
過去こんな人数を相手にしたこともなければ
長時間人を殴り続けたこともない。

鶴蝶が後ろの俺を気にしながら戦ってんのもわかった。

(この人数相手にまだ余裕があるとか、強ぇな、
イザナの側近なだけある)

｢だぁー！くそ！かかってきやがれカス共！！｣

もう二度とこいつのトレーニングに付き合わない。