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声 ページ1
日本に住む特にこれといって秀でた能力のない平凡な少女がいた。
強いて言うならば人に何かを教えるのが上手かったり、気遣いが出来る、そんな少女。
その性格ゆえに損をしたり必要以上に疲れてしまうこともしばしばあったのだが、それが下風Aという少女だった。
その日のAはバイト代が出たため、趣味であり特技でもあるぬいぐるみ制作するためのキットをいくつか購入し、休日のうちに1つくらい完成させてあげようと思いながら帰り道を歩いているところだった。
「……みだ」
不意に声が聞こえた気がして振り返る。
突然声が聞こえたことに驚いたのもあるのだが、Aはそれが自分に向けられたものだと何故か勘違いをしたのだ。
小さく首を傾げながらも再び足を動かし始める。
だが先ほど聞こえた声がさらに大きくなって聞こえた。
「ようやく見つけた。君だ。私たちは君を探していた」
「え……?」
Aが困惑の声を発したのも僅か。Aの意識が強制的に落とされた。
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作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月18日 16時