第三百二十七夜 停止 ページ9
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「…ちょっとシン!どういうことですか!?」
シンドバッド様のお部屋のドアノブに手をかけると同時に聞こえてきた怒声。
廊下まで響くその怒声に、部屋の前を通る文官や武官の方々は驚いたような目で部屋の前を早足で通り抜ける。
ドアノブをゆっくりと捻り、中に入ると、そこには案の定ジャーファル様に怒られているシンドバッド様の姿が見えた。
ジャーファル様は私の姿に気付いていないのか、シンドバッド様に話を続けた。
「貴方がこのような方々を引き入れることは重々承知しています……ですが、今すぐにこの方を受け入れられる施設は……――」
「あの……」
「今シンに重要な話をしているんです!用があるならまたあと……――
…―――ってユユ!いつからそこに!?」
私が声をかけると、相当驚いたのか、ジャーファル様は大袈裟とも呼べる動作で肩を揺らした。
「いつからって、ついさっきですけど……」
「来たのなら声ぐらい掛けてください……」
額に手を当てながらジャーファル様は「はぁ…」と深いため息をついた。
私はそんなジャーファル様のを無視し、シンドバッド様に話しかける。
「あの、シンドバッド様。御用とは……」
「ああ。実はつい先程、アラジン達から連絡が入った」
「アラジン様達から……ですか」
「ああ。勿論、ラリもな」
シンドバッド様はそう言うと、にこりと私に笑いかけた。
「……ラリ様ということは、勿論、カーフィア様ともですか」
「…つい先刻な。自身が元ユユを狙う暗殺者だったこと、それとここでの出来事を色々と報告していたよ。
…―――で、本題なんだが」
シンドバッド様は言うと、机に乗せていた手を組み、自身の目の前に寄せた。
そして、先程までの朗らかな表情と打って変わって、真剣な表情になった。
「…―――そのラリ達が乗る船が、アクティア王国周辺で活動している海賊に襲われたらしい」
「……」
「先程のアラジンからの連絡もそのことについてだ。まあ、一応解決したんだが、一つ問題があってだな……」
シンドバッド様はそう言うと眉間にシワを寄せた。
「その"海賊"っていうのがほとんど子供だったんだが………その……なんだ。
……シンドリアで、受け入れることになった」
「……え」
その言葉で、私の動きは止まった。
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厨二乙(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます!明日までには続編をつくる予定です (2016年8月10日 15時) (レス) id: 7e18410e1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きがきになります(*´∀`)ワクワク更新頑張ってください(*´ω`*) (2016年8月10日 15時) (レス) id: 4f1d10fb33 (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - そらさん» つまんないは言い過ぎじゃない?もう少し言葉を選んだほうが良いと思う (2016年8月8日 23時) (レス) id: f2ab9f97c5 (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - そらさん» つまんないは言い過ぎじゃない?もう少し言葉を選んだほうが良いと思う (2016年8月8日 23時) (レス) id: f2ab9f97c5 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 厨二乙さん» 良かった!楽しみにしてます!(((o( ˙-˙ *))o)))! (2016年8月5日 20時) (レス) id: a582850307 (このIDを非表示/違反報告)
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