第三百四十九夜 誰か ページ34
〜レイラside〜
「…――ッ!?」
声も出なかった。
驚いて手から剣を離そうとしたが、離れない。
…――――いや、
" 離 さ な い "。
「レイラ、お前ッ……!」
殺気のこもった目で、サーリエは私の事を見た。
怒りと憎しみに満ちた目だった。
「…―――っぁ」
"違うの"
そう弁解しようとしても、もう声が出なかった。
いや、"出そうとしない"、のが正しいのだろうか。
「…―――ああ、穢らわしい」
そう、勝手に口が動いた。
突然の事に、私の心臓はどきり、と音を立てた。
それだけじゃない。
…――――身体が、自分の意思で動かない。
「どういうことだよ、レイラ」
「どういうことってそのままよ。穢らわしいから斬った。ただそれだけの事よ」
"……やめて"
そう言おうとするが、届かない。
「ふふっ」、と私だけど私じゃない"誰か"は笑う。
その笑顔はきっと、骨の髄まで凍るような笑顔だろう。
「なんだよ、それ…」
「まだ分からない?黒が白になるなんて普通有り得ないの。塗料だってそうでしょう?黒い塗料に白い塗料を混ぜても白にはならない。彼女……黄香は、その自然の摂理に逆らったから斬った。ただそれだけ」
当然のように"誰か"は言った。
驚くような冷たい声で、突き放すように。
「……ああ、そうか」
その"誰か"の言葉に、サーリエは軽蔑の眼差しを向けると、ゆっくりと口を開いた。
「…―――誰だ、お前」
「………ッ!?」
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厨二乙(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます!明日までには続編をつくる予定です (2016年8月10日 15時) (レス) id: 7e18410e1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きがきになります(*´∀`)ワクワク更新頑張ってください(*´ω`*) (2016年8月10日 15時) (レス) id: 4f1d10fb33 (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - そらさん» つまんないは言い過ぎじゃない?もう少し言葉を選んだほうが良いと思う (2016年8月8日 23時) (レス) id: f2ab9f97c5 (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - そらさん» つまんないは言い過ぎじゃない?もう少し言葉を選んだほうが良いと思う (2016年8月8日 23時) (レス) id: f2ab9f97c5 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 厨二乙さん» 良かった!楽しみにしてます!(((o( ˙-˙ *))o)))! (2016年8月5日 20時) (レス) id: a582850307 (このIDを非表示/違反報告)
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