第三百二十三夜 イラーフとシャーン ページ4
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その夜、私は黄双塔にへと戻り、大きな声ベッドに身を沈めていた。
「……っはぁー……」
仕事はゼイン様とアッバーサ様の元へ送られ、空っぽになった私の部屋。
いつもは床に書類や書物が転がっていたはずなのに、そんな類のものは一切置いていなかった。
真っ白な黄双塔の天井を見つめ、空っぽになった部屋の、以前までの部屋のを失った喪失感に思いを馳せていた。
気が付くと私は、瞼を閉じ、意識を手放していた。
***
〜Noside〜
…――『"神の子"よ!!"神の使者"よ!!』
そう言われ、崇め称えられているのは、銀髪の少女と若干紫よりな黒髪をした少女とだった。
『ほー…あれが新たな神の使者か…本当にイラーフ様とシャーン様にそっくりだ』
『ったりめーだろ?元々イラーフ様とシャーン様の"意思"が子供の体の中に入ってくんだから』
そう言って話し始める二人の男性。
大きめの椅子に座っている少女二人は、煌びやかな服を着こみ、子供特有の笑顔で台座に座っていた。
『イラーフ様!ぜひ私共に神のご加護を!』
『シャーン様!私達にも奇跡を!!』
"シャーン様"、"イラーフ様"。
そう呼ばれた少女と達は互いに顔を見合わせ、にこやかに微笑みながら立ち上がった。
そして、手前で腕を組み、屈む人々の先頭に立っていた女性の頭に手を添えた。
『そう私達を崇めないで頂戴。私達はあなたと対等でいたいの。ほら、顔を上げて』
黒髪の少女…シャーンは、優しげな笑みを浮かべ女性に告げる。
それを隣で見守っていた銀髪の少女…イラーフはその様子を見るなり、椅子から腰を上げ、杖を掲げながらこう叫んだ。
『皆!!前も言ったと思うけれど、私達二人はそんなに崇め称えられるほどの器じゃない!私達は対等……。だから、皆で世界を作ろう!!皆が笑顔でいられる、平等な世界を!』
そう呟く少女は外見とは打って変わり、何百年も生きているような貫禄が見られた。
イラーフの言葉を聞き、人々は歓声の渦に包まれる。
そんな人々を見て、イラーフとシャーンは笑い合った。
『皆で作ろう。お父様から授かったこの力で』
『ええ、そうね。皆で作りましょう。
……―――皆が平等で幸せな生活を送れる素晴らしい世界、
『……うん。そうだね。………だって』
…―――私達は、それを導くために産み出されたのだから。
第三百二十四夜 その名は『※※※』→←アッバーサとハルンの設定
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厨二乙(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます!明日までには続編をつくる予定です (2016年8月10日 15時) (レス) id: 7e18410e1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きがきになります(*´∀`)ワクワク更新頑張ってください(*´ω`*) (2016年8月10日 15時) (レス) id: 4f1d10fb33 (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - そらさん» つまんないは言い過ぎじゃない?もう少し言葉を選んだほうが良いと思う (2016年8月8日 23時) (レス) id: f2ab9f97c5 (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - そらさん» つまんないは言い過ぎじゃない?もう少し言葉を選んだほうが良いと思う (2016年8月8日 23時) (レス) id: f2ab9f97c5 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 厨二乙さん» 良かった!楽しみにしてます!(((o( ˙-˙ *))o)))! (2016年8月5日 20時) (レス) id: a582850307 (このIDを非表示/違反報告)
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