第三百三十九夜 本題 ページ24
〜黄香side〜
「んー…、強いて言うのであれば、そうだねぇ。
………―――――貴方のことを知っていたから、じゃ駄目かい?」
「!」
―――私の事を、知っていた?
私は目を丸くし、翠玉さんを凝視する。
そんな私の状況など知らずに、翠玉は「まあ正しく苗字だけなんだけどね」と付け加え、話を続けた。
「私は元水浄村の人間なんだが、黄桃村の領主一家はこちらでもかなり有名でね。美男美女で槍術の天才の娘が一人……。ここ周辺では"藍"なんて苗字はその一家しかいないから、すぐに分かったよ」
「へぇ…」
確かに、ここ周辺では"藍"なんて苗字見たことなかったかも。
「それに……」
翠玉さんは少し目を伏せ、視線を窓にへと滑らせた。
私もそれにつられ窓を見る。
窓の外は、綺麗な青空と小さな緑の丘が見えるだけだった。
……あそこに、何かあるのだろうか。
「あの、あそこに何か?」
「……まあ、色々とね」
「……?」
意味深に翠玉さんは微笑む。
意味深な笑みの裏を読むのを遮るかのように、翠玉さんは話を続けた。
「じゃあ、そろそろ本題に入ろうかね。
…っと、その前に」
翠玉さんはそういうと、まだ私の横で腕を組んで頬を膨らませているサーリエを見た。
「…サーリエさん、机の上の果物はご自由に食べてもらっても構いませんよ」
「……ッ!」
翠玉さんの言葉に、サーリエの眉毛がピクリと動いた。
……なんか、すっごく申し訳ない……。
「それじゃ、本題だよ。えーっと……、水浄村がなくなった経緯について知りたいんだったね」
「……はい。そうです」
「少し長くなるが、我慢しておくれよ。私が見た全ての事を話そう。
始まりは、今から半年以上前…水浄村の領主が元黄桃村の村人に酷い扱いをしていたところから始まる……_______」
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厨二乙(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます!明日までには続編をつくる予定です (2016年8月10日 15時) (レス) id: 7e18410e1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きがきになります(*´∀`)ワクワク更新頑張ってください(*´ω`*) (2016年8月10日 15時) (レス) id: 4f1d10fb33 (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - そらさん» つまんないは言い過ぎじゃない?もう少し言葉を選んだほうが良いと思う (2016年8月8日 23時) (レス) id: f2ab9f97c5 (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - そらさん» つまんないは言い過ぎじゃない?もう少し言葉を選んだほうが良いと思う (2016年8月8日 23時) (レス) id: f2ab9f97c5 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 厨二乙さん» 良かった!楽しみにしてます!(((o( ˙-˙ *))o)))! (2016年8月5日 20時) (レス) id: a582850307 (このIDを非表示/違反報告)
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