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ページ22

「湧さんって人当たり良くて誰とでも仲良くなる割には距離置くタイプな気がするんだけど、今回は感情移入が足りてなさすぎるんだよ。」

琲世くんの本気の人間観察に圧倒される。

『感情移入。』
「そう、いい?」

琲世くんが人差し指を立てる。

「倉元くんと心から新婚夫婦になりきってやらなきゃ。倉元くんは湧さんのこと愛してる。湧さんも倉元くんのことを愛している。」


お、おお。


『倉元と愛し合わなきゃいけない…。』
「そうそう。湧さん、好きで好きで仕方がないって感情になったことある?まあ僕も覚えてる限りではないんだけど。」
『…ない。』

あー、それだ!と琲世くんがギュッと目を瞑る。

琲世くん、女の子みたい。女子力高い匂いがする。

「サッサンとやってみたらいいんじゃね。」
『はぁ?』
「お、いいね!やってみよう!」

不知くんの案を却下しようとしたら何のスイッチが入ったのか、使命感に燃えた瞳で琲世くんが私を見た。

「湧さん隣に来て。不知くんと場所交代ね。」

言われた通りに琲世くんの隣に座る。

「いい?僕は湧さんを愛している。湧さんは僕を愛している。」
『は、琲世くんが私を愛してる?』
「そう。」
『だって、え、はい。』

有無を言わさない琲世くんの顔に私は大人しくなる。

琲世くんは静かに私の手を取った。

いつの間にか顔は至近距離にあって、優しく微笑んだ琲世くんの目を見る。

「僕のこと好きになって下さい、ほら。」

え、という声も出ない。

「微笑んで見せて?」

口の端がひくりとあがる。

「目が怖いんだけど。」

琲世くんが思わず吹き出す。

『ちょ、ちょっと笑わないでよ…。』
「湧さん思ってより下手っスね。」

不知くんも呆れたように笑ってる。

「緊張してるから?冷めてるの?」
『わかんない。』
「わかった正面向いて。両手出して。」

こうなったらもうカウンセラーのようだ。平子班に入る前もカウンセリングに何回か行ったなぁ。

「はい、力抜いて〜微笑んで〜。」

ニッコニコしてる琲世くん。

『んふふ。』
「いいね〜。」


「ねえちょっと、何してんの…?」

お互いに集中しすぎて周りが見えていなかった。

話しかけられてバッと顔を上げるとそこには唖然とした倉元。

「いちゃいちゃする練習です。」

琲世くんがなぜかドヤ顔だった。

12 口づけは必殺技→←▽



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設定タグ:東京喰種 , 伊東倉元 , 平子丈   
作品ジャンル:アニメ
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ゆー - 有馬さん僕じゃなくて俺って言いますよ (2016年9月14日 17時) (レス) id: 82686e1266 (このIDを非表示/違反報告)
蘭乃 湧(プロフ) - 黒猫@神櫻梶さん» いつもありがとうございます。ここに50話までしかアップ出来ないという都合上で。笑 普通にこのページのものと合わせて一つの物語です! (2016年7月13日 12時) (レス) id: c5412138af (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@神櫻梶 - 続編ですか!?楽しみにしてます! (2016年7月12日 22時) (レス) id: 568c15fe38 (このIDを非表示/違反報告)
蘭乃 湧(プロフ) - ragiさん» ありがとうございます!どうやって完結させようか迷っております… (2016年7月6日 2時) (レス) id: c5412138af (このIDを非表示/違反報告)
ragi - つづき楽しみにしてました!やっぱりいいお話ですね! (2016年7月5日 11時) (レス) id: d8f35f2d6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蘭乃 湧 | 作成日時:2016年5月24日 22時

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