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隣の倉元の喉から「んっ?!」と変な声が漏れた。
『琲世くんもう一回。』
「…性行為直後、の女性、です。」
はてな顔だった丈さんがため息をついた。
え、このことを伝えるためにクインクス班は緊張してたわけ?
ウブすぎない?
『変な嗜好だとは思うけど…戸惑いすぎじゃないですか?』
琲世くんにそう尋ねると余計に引きつったような顔をされる。
「えっと…その、なかなか性行為をしている男女なんて探せなくて、対象は最近CCGに追われていることを察知したのか…えっとそういうホテルに現れなくなったので…。」
『で?』
琲世くんの目を刺すようにジッと見つめる。
「あの、えっと…囮捜査を…ダメですよね。」
一瞬静まり返る会議室。
なるほど、平子班に引き継ぐ理由が分かったぞ。
『才子ちゃんは。』
「えっ…。」
琲世くんは優しいから、才子ちゃんより私の方が今回の囮捜査に適していると上から言われたとは言い出せないんだ。
「ちょ、」
「で、」
『いやいやいや。』
倉元と丈さんと言葉を遮る。
『もう六月くん行きなよ。六月くんと瓜江くんでいいよ。』
「そ、そんな、蘭乃一等!」
六月くんが叫ぶ。
『なんで?才子ちゃんと不知くんは?』
「才子はそんな感じじゃないっていうか…大人の魅力ゼロっつーかよぅ…。」
琲世くんが口を開きかけてやめた。
『その喰種は…なんなの。』
倉元が半笑いでこっちを見た。
『そういう行為直後の女性の下半身が好きなの?それとも…。』
倉元が噴き出した。
『寝とるのが趣味?もしくは単にラブラブなカップルが嫌いで尚且つ女性が好みとかですか?』
「あ、そのことですけど、死体の状況から見て恐らく、下半身を残していくことも度々あるので、その、その部位…?目当てではないと思われます。それから男性に捕食の被害がなかったこともあります。」
なるほど。
『どうやって性行為をしているカップルを見つけているんでしょう。』
「匂いというのは難しいでしょうから音ではないかと思っています。」
「それだと一人でやってる男もいるよね?」
せっかく私と琲世くんが会議の体を保つために口調に気をつけていたというのに。
倉元は投げ出したらしい。
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ゆー - 有馬さん僕じゃなくて俺って言いますよ (2016年9月14日 17時) (レス) id: 82686e1266 (このIDを非表示/違反報告)
蘭乃 湧(プロフ) - 黒猫@神櫻梶さん» いつもありがとうございます。ここに50話までしかアップ出来ないという都合上で。笑 普通にこのページのものと合わせて一つの物語です! (2016年7月13日 12時) (レス) id: c5412138af (このIDを非表示/違反報告)
黒猫@神櫻梶 - 続編ですか!?楽しみにしてます! (2016年7月12日 22時) (レス) id: 568c15fe38 (このIDを非表示/違反報告)
蘭乃 湧(プロフ) - ragiさん» ありがとうございます!どうやって完結させようか迷っております… (2016年7月6日 2時) (レス) id: c5412138af (このIDを非表示/違反報告)
ragi - つづき楽しみにしてました!やっぱりいいお話ですね! (2016年7月5日 11時) (レス) id: d8f35f2d6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭乃 湧 | 作成日時:2016年5月24日 22時