【ヒプマイ】いきなりですが、幼女を拾いました

31ばんめ ページ32

Aの頭を撫でると、Aは気持ちよさそうな顔をする。

撫でられるのが好きなのか…ほんと妹そっくりで、笑えねぇ。

正直生き別れの妹かって思うくらいだ。

そんなことは今はどうでもいいが、ふと思いついたことを言ってみる。

こいつは一体、どこから来たんだ。

今着ている服は、どう考えてもこいつのじゃない。


「お前は一体どっからきやがった」

「？」

「どう考えてもその服、お前のじゃないだろ。誰からもらった服だ？」

「にぃちゃの！」

「名前は」


ぶかぶかの服で、袖をぱたぱたしている。

下は……服の丈が長いのもあって履かせていないのだろう。

名前はと言われて、何か言いたそうな感じに顔を歪ませている。


「さー、ぶりょ！」

「さぶろう？」

「にぃちゃのなまえ！」


どうやら、言いづらい名前のようだったらしく。

さぶろう…ダボのとこにいやがるあの三郎か？

あいつらの名前はどこにでもいそうでいないからな。



「…一郎、とかいうやつはいるのか」

「いちりょ、にぃちゃ！」

「…」

「Aちゃと、いっしょのおめめ！」


ぱぁっと明るくなるA。

一緒の目。赤と緑の色をした目なんて、あいつぐらいしか思いつかない。

…やっぱり、あのダボと関係あるやつだったのか。


「まさかの知り合いだったとは…しかも兄妹、でしょうかね」

「ちげぇよ、あいつに妹はいねぇ」

「…ほう」

「深い意味とんじゃねぇよ。このガキの状況から見て考えたことだ」

「分かってますよ」



はいはい、と少し呆れながら笑う銃兎。

まぁ、いい…とりあえずまたイケブクロに行くか。


「おい、帰るぞ」

「みゅ？」

「お前の家。お前の兄ちゃんとやらのとこに」

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