検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:12,922 hit

12 ページ13

そう思った時には、もう遅かった。


「A!」


レッスンルームの扉が勢いよく開いて、トキヤが入ってきた。
そして…トキヤは、ST☆RISHを見るなり…嫌な顔をした。


「A。ちょっと来てください」


…ねぇ…。
ここに来て、いきなりそんな事言って…
なんで私を無理やり連れて行こうと手を引っ張っているの。


「やめて」


私は、トキヤの手をはらって距離をとった。


「今は、ST☆RISHと話をしてるの。
トキヤとの時間じゃない。今は、ここにいるみんなとの時間。
それに…私はさっきトキヤを見送ったはず。
なのになんでまた会いに来たの?準備するんじゃなかった?」


口から…今まで溜まっていたものが、どんどん出てきた。
言いたい。って思ってたわけでもないのに。
なぜか…キツイ言い方になった。


これ以上…時間を奪われたくない。


「っ…いいから、来てください」


「無理だよ。私には私のやる事がある。
今、トキヤの所に行く時間はないの」


「………………」


そう言ったとき、トキヤは黙った。
なのに…出て行こうとはしない。


なんで?


「多分…準備を手伝ってとか言いに来たのかもしれないけど…
私は今、仕事中。仕事の邪魔をしないで」


ホントは、仕事じゃないけど…
そうやって言えば、トキヤなら帰ってくれるんじゃないかな。

そう思ってた私は甘かった。


「嘘をつかないでください。仕事じゃないことはわかっています。
今は忙しくないですよね」


っ…何がしたいの。
忙しくないなら、トキヤと一緒にいなきゃいけないの?
私に自由時間はないの?


「おいトキヤ…Aは行きたくないって言ってんぞ」


え…翔?


翔は私とトキヤの間に入って、トキヤの方を向いて…私に背を向けている。
私をかばうようにして。


「翔…どいてください」


「無理だ。もう譲れない」


もう…譲れない?どういうこと…?


「翔…。わたしは今、Aに用があるんです」


「用を済ましておかなかったお前が悪い。
今は俺達と一緒に話してる。だから…Aは行かねーよ」


私のすぐ前に立つ翔の背中は大きくて…
任せろ。って語っているみたいだった。


いつの間にか…身長高くなった?
前より…かっこよくなった…?

13→←11



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (20 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
40人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鈴華(プロフ) - どれも続きが気になるものです。 (2016年10月22日 21時) (レス) id: d136d6ad0b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:キルア | 作成日時:2016年8月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。