勝手に ページ32
結城哲也side
部活終わりのある日。
「あの、結城先輩!これ、違いますか?」
そう言って川上が見せてきたのは黒いスマートフォン。そのスマートフォンには見覚えがあった。
「俺のではないがそれは市春のだ。渡しておく」
「ありがとうございます!」
川上はペコリとお辞儀をした後走って何処かへと行ってしまった。まず市春を探さないといけないのだろうが、俺は純に用事があった為、純の部屋へと向かう。純の部屋の扉を開けると、亮介と純がいた。
「あれ、哲じゃん」
「おぉ!哲!!」
「それ、哲のスマホ?」亮介が指差しているスマホは市春のだ。だから俺は「これは市春のだ。落としていてな。川上が拾ってくれたんだ」と言った。
すると、亮介と純はニヤリと黒い笑みを浮かべる。
「ねぇ、哲。そのスマホ貸して?」
「?別にいいが」
亮介に市春のスマホを渡すと亮介は電源を入れる。画面にはロックの文字。ロックはどうやら数字四桁が入るようだ。
「哲、市春の誕生日は?」
「10月10日だ」
亮介は1010友達入力する。だがパスワードは間違っているようで、ホーム画面にはいけなかった。
「哲、哲の誕生日は?」
「俺か?俺は10月8日だが」
亮介は1008と次は入力する。すると簡単に画面へといってしまった。
「…マジかよ……哲の誕生日とか…」
「そんなに哲のことが好きなんじゃない?」
亮介は迷わず電話のアイコンをタップする。電話張には友達と言う友達の名前は入っていなかった。せいぜい小湊や沢村がいる程度。
「これ、誰?」
亮介が見つけたのは一番したにあった“インコ”と言う文字。
「哲知ってるかぁ?」
「知らん」
「じゃあかけてみようよ」
「男かもしれないよ」と言ってインコと言う文字をタップし電話をかける。ツーコールぐらいでインコと言う人物は出た。
『もしもし?』
俺達は顔を見合わせる。
「男だな」
「男だね」
「…どっかで聞いたことのある声してやがる…」
それぞれの感想を言っていく。亮介と俺の目が合う。
「(名前を聞いてくれ)」
「(分かってるって)」
アイコンタクトで通じ合う俺達はそれぞれ頷き任務(?)を成功しようとしていた。その時だった。
「兄貴、私の携帯持ってない?」
市春が来た。
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