練習 ページ15
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「今度体育祭あるんだ」
『へぇ、俺達来週だよ。青道はやっ!』
今私はインコと長電話タイムだ。何気にこの長電話が楽しかったりする。
「野球部燃えてるよ。だって負けたら兄貴と将棋やらなきゃいけなくなるから」
『何でまた将棋?』
「兄貴、超がつくほど弱いのに将棋好きなんだよ。止めても止めても永遠とやり続けるからある意味精神的苦痛なんだよね」
『ふーん。俺、見に行ってやろうか?』
少しウキウキしたような感じで言うインコ。「どうせアンタ練習あるでしょ」そう言う前にインコの先輩が『明日練習あるからな』とインコに釘を指していた。
『えー、雅さん!明日ぐらい休んでいいでしょ!!』
『言い訳あるか!また監督に出してもらえないぞ!』
『出してもらえるもーん。だって、俺エースだからさ!』
『はぁ』とため息をつく音がする。きっと…と言うか昇進証明インコの先輩のため息だろう。相変わらずワガママプリンスは健在のようだ。私も何回も何回もキレかけた。先輩の気持ちはよーく、痛いほどわかります!
『とにかく、明日外出血したらお前スタメン降ろすからな』
『はぁ!?何でさ!』
『練習もろくに出ない奴が試合に出るぐらいなら、日頃から肩を作って万全な状態でいるやつを取った方がいいだろ』
先輩に正論を言われてインコはギャアギャアと文句を言っている。取り敢えずそこまでしなくても来なくていいから。そもそも来てって言ってないし。
「明日早いからもう切るよ?」
『えっ!ちょっ、まっ!!まだ全然話してないじゃん!!』
「取り敢えず先輩の言うことはちゃんと聞くんだよ?後、後輩には優しく。今度オフの日そっちに遊びに行くから。んじゃ」
適当に要件だけを言って通話を切る。今回は比較的短い方だね。外では兄貴が素振りをしていたので私も壁に立て掛けてあったバットを持って兄貴といっしょに素振りを始めた。
取り敢えず私の出る種目は100mと200m。優勝して帰ってくる!そして、兄貴に誉めて貰うんだ!
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