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実際、リヴァイとジゼルの関係性を知っているのはエルヴィンとハンジのみだ。
「どんな噂が流れてるのかは知らないけど…、付き合ってないよ。」
ジゼルの静かな言葉にコニーが食い付いた。
「えー!本当なのかっ?てっきり付き合ってるものだと…。でも兵長のあの様子だと兵長はジゼルの事が好きなんだろうな!うん!俺はそう思う!」
「コニー。ジゼルが困ってるよ、それにこれは兵長とジゼルの問題だ。僕達が入り込むのは違うと思う。」
「アルミン、お前は甘ーーーい!!!!お前も気になってるくせに!!」
「えっ、僕はそんな…、」
「エレンなら何か知ってるんじゃねぇか?ジゼルは兎も角あいつもあいつでリヴァイ兵長と一緒にいる時間長いしさ。」
生憎、エレンはリヴァイに呼び出されて不在だ。なにやら実験の事で話があるのだとか。
「……コニー。エレンをそんな話に巻き込まないで。エレンは疲れてる。それにいつまでもチビの話なんか聞いてたら耳が腐る。」
「お、おう。そっか、そうだよな。エレンは疲れちゃってるんだもんな。うん、駄目だな。悪かった。よし、この話は止めよう。」
焦ったコニーが静かに椅子に座り直した。ミカサの重圧的なオーラに負けたらしい。ミカサの兵長嫌いは有名だから。
「あれ?ジャンボーイ。さっきから全然喋ってませんね。どこか具合でも悪いんですか?」
食事に一切手をつけていないジャンの様子に首を傾げたサシャがジャンのパンに手を伸ばす。ジャンは足元を睨んだままピクリとも動かない。
「……何でもねぇよ、食欲がないだけだ。」
「なら、パン!ください!」
「………やるよ。勝手に食え。」
サシャの笑顔とは裏腹に暗い表情のジャンは席を立ち上がり食堂を後にした。その様子を見たジゼルが悲しそうに目を伏せる。
ジャンとジゼルの間に何かあったのだろうか、とアルミンが察した。だがきっと触れてはならない話題なんだろうと口を固く噤む。
「ジゼル、ジャンの事は気にしなくていい。まだ気持ちに整理がついてないだけ。」
「ゴホッ……!?ミ、ミカサ……!」
ミカサの爆弾発言にアルミンが喉を詰まらせた。ジゼルはといえば顔を上げて目を大きく見開く。宝石の様に綺麗な双眸が小さく揺れた。
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作者名:るかこ。 | 作成日時:2020年4月30日 13時