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「あ、リヴァイ兵士長！」
鈴のような声に顔が上がる。目の前には金髪の髪を上で束ね笑顔でこちらに手を振るジゼル。…どうやら無意識に倉庫に来てしまっていたらしい。自分の行動に呆れながらも、僅かに頬が緩んだ。
「走るな、転んでもしらねぇぞ。」
「あ、すみません。」
俺に指摘され、一度立ち止まったジゼルの方へと歩いていけば嬉しそうに笑う。額には汗が滲んでおり、金属の匂いがした。上に束ねていても胸下くらいまである髪に触れれば相変わらず手触りのいい触感に目を細める。
「……汗臭いですよ？」
「臭くねぇ。」
「でもリヴァイ兵士長は潔癖…じゃなくて綺麗好きでしょう？」
「お前は別だ。別に汗臭くないし気にするな。」
困惑した様子のジゼルは頬をかく。
「それにしても、どうしてここに？倉庫から出てきたらリヴァイ兵士長がいたのでビックリしましたよ…。」
「…偶然だ。糞眼鏡に押し付けられた書類を返しにいった後、ここに着いた。」
「無意識って事ですか？」
「ああ。そうだな、無意識だ。悪いか？」
「い、いえっ。ふふ、嬉しいなって。まだ夢のようですから。夢なら覚めて欲しくないですけど。」
頬を赤らめてはにかむジゼルの頬に手を滑らせた。ぷっくりとした肌に吸い付いてくるジゼルの肌は色白で、繊細だ。
「安心しろ、正真正銘、現実だ。」
「その様です。あ、そういえばひとつ聞きたいことがあったんですけど。」
「なんだ。」
「リヴァイ兵士長は自分で立体機動装置を点検していますか？リヴァイ兵士長の立体機動装置に関して不具合が見つからないので。立場上、1番酷使している筈なのに小さな不具合も見つからないんです。だから自分で点検してるのかなぁって。」
リヴァイか地下街で生まれ育ち、地下街で有名なゴロツキをしていたこともジゼルは知らない。リヴァイは立体機動装置を手に入れ、地下街で様々な依頼を繰り返していた。独学で学んだがその腕は確か。
立体機動装置の点検や修理くらい朝飯前だ。新型立体機動装置についてもジゼルから一度説明を聞いているため、修理くらいは出来る。だから時間が空いた時に自分で修理をしていたのだ。
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作者名：るかこ。 | 作成日時：2020年4月30日 13時
