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「いつもの蹴りより強烈だね！ジゼルとムフフな関係になったからって浮かれてもらっちゃ困る！」
「あ゛？」
「ジゼルから聞いたよ、リヴァイと気持ちが通じたって、あの子嬉しそうに話すもんだからちょっとした…腹いせ？」
「……。」
「か、顔怖い！そんな睨まないでよー。私もジゼルと付き合いたいいぃぃいいい！ジゼルが欲しいぃいいぃいい！」
「断る。あいつは俺のだ。」
「へーへー、わかってますよ。でね一つ頼みがあるんだけど、」
「聞かねぇ。」
「まだ何も言ってないよ、お願い！この書類だけやって！意味わかんないんだ。」
「俺じゃなくても、お前の優秀な副官に頼ればいいだろ。」
そういえば、ハンジは唇を尖らせた。
「モブリットの奴は今王都に出向いてる。」
「それはご苦労なこった。だが俺は忙しい。手伝う気はない。」
「はあああ、ケチ。ドケチーーーー！！！！」
リヴァイはぶっきらぼうに言い捨てた後、手に持っていた書類をハンジ目掛けて放り投げる。
「あああ、こんな書類見たくもない！！リヴァイ！！お願い！！今度巨人捕獲作戦に協力させてあげるからああああ……、」
「ふざけるな。こっちから願い下げだ。」
「そんなぁ……、」
ガクッ、と項垂れたハンジを置いてリヴァイは歩き始めた。書類も返した事だし、執務に戻るか。あいつのせいで無駄な時間を過ごした、と舌打ちを落とす。
にしても、ジゼルを狙う人間、否、黒幕は誰なのだろうか。見事に証拠を抹消し、尚且つ事の判断が素早いせいで情けない事に俺達は一切の手掛かりも掴めていない。
たく、エルヴィンの野郎は何をしてやがる。自慢の頭脳を使わなくてどうするんだ、と悪態をつくものの、この状況に陥ってしまった以上は仕方がないのだろうか。
手掛かりどころか、リヴァイはジゼルを手に掛けた人間を片っ端から殺してしまっていってるのだから。拷問すれば片っ端から口を開いただろうが、あの時は状況が状況だった。
だが、今振り返ると全てどの犯行にも共通点があった。手口が巧妙…ではなく、雑なのだ。大雑把で大掛かりと言うべきか。
一度目はジゼルの部屋の窓を割りジゼルを攫おうとした。二度目は晩餐会の時、大勢の人間の前で。三度目は壁外調査の際、わざとジゼルのいた中央後方のみの陣形を崩した。三度目に至っては本気でジゼルを殺そうとしたのだろう。それも失敗に終わったが随分と舐め腐った真似をしてくれたものだ。
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作者名：るかこ。 | 作成日時：2020年4月30日 13時
