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「え?ハンジさんですか?」
「…俺に期限間近の書類を押し付けやがった。」
「……それはそれは…。」
「見つけたら生きたまま巨人の餌にしてやる。」
「…はは、は…。」
エレンの様子が何やらおかしい。なにかに戸惑っているかのようなエレンの表情にリヴァイが舌打ちを落とす。腕を組みながらエレンの方向へと歩いていけばエレンはチラチラ、とある一点を見詰めながら顔を青くさせた。
「おい、エレン。」
「はは、はい!」
「…」
「リ、リヴァイ兵長?ええっと……、」
「……エレン、」
「ああの、っ、あのっ、えっと俺は……っ、」
「……」
冷や汗を垂らすエレン。ああ、最悪だ、とエレンが絶望を間近に感じる。リヴァイの鋭い視線に耐えきれなくなったのか、エレンは瞼をぎゅっと瞑りながらある一点を指差す。
「すすすすすみません、ハンジさん!!俺には無理ですーーー!!!」
エレンが猛スピードで去っていく中、リヴァイの目が細める。先程エレンの指差したのは掃除道具などが入っている物入れ。ゆっくりと物入れに近づき、勢いよく開けた。
そこに居たのは矢張り、ハンジ。ぎゅうぎゅうつめになりながら物入れに収まっていたハンジを睨んだリヴァイはハンジから押し付けられた書類を突き出した。ハンジは青ざめた表情でぎこちなくこちらを振り向きにっこりと笑った、が目は笑っていない。
「っ!?や、やぁ。リヴァイ。」
「死ね。」
「ちょっ、待ってって!リヴァイ!!この書類の件は冗談で……グハァッ!!!」
「もっとマシな冗談を言え、糞眼鏡。てめぇのクソみてぇな冗談に付き合ってるほど俺は暇じゃない。」
「いってー!!!!!今のは強烈だった!!!!」
リヴァイの強烈な蹴りを受けてハンジが涙目になる。だが俺は悪くない。全てこいつが悪い。
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作者名:るかこ。 | 作成日時:2020年4月30日 13時