極度の対人恐怖と悪女さん。【AU】 (ページ38)

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「A…ちゃん？どうしたの…？もしかして…、」

「どうしたA。なんかあったか？」

まるで当たり前のように、セリーナさんを拒否した私に対して心配をしてくるサンズさんとセリーナさん。

今までだったら、私に対して暴言暴力いろいろ私に向けて当てたのだろう。

「大丈夫…？エラーに何かされた？」

「っ…、いや…、えっ…と……、ちが…、な、何でもない…。ごめん。」

少し俯きながらそういう。セリーナさんの顔が見えない。自分の足しか見えない。

セリーナさんはいまどんな表情をしているのだろう。怒っている？笑っている？…悲しんでいる？

…セリーナさんは…、こんな最低な私に対してでも心配できるような人間なの…？

「っ…、ただの、同情なら…無視してよ…。」

「Aちゃんっ…！？」

そう言い放って私はその場を走り出す。

行くあては無い。

ただ、私は走り続けた。

あまり運動もしない私が、息も絶え絶えになりながらも走り続けて…、自分でもどこにいるか分からなくなった。

「っはぁ…、はあっ…、」

『＊っはぁ…、はあっ…、』

突然真横から聞こえてきた私の声にビクリと肩を揺らす。

声が聞こえてきた方にあったのは、最後に聞いた言葉を繰り返すエコーフラワーだった。

エコーフラワーがあるということは、ウォーターフェルまで来たということだろう。運動音痴の私にしては長い距離を走った。

エコーフラワーの隣にはベンチがある。

少し座って休ませてもらおう。

トスンとベンチに座り、少しずつ息を整える。

頭が痛い。

喉がヒリヒリする。

なんで私、同情なら無視してよなんて言ったんだろ。ちゃんと私の事心配してくれてたのかもしれないのに…。

本当に、みんなが言う通り、私ってば、サイテーでクズな人間だね。私に対する気遣いすら疑っちゃって…。

本格的に仲良くしてくれる人なんていなくなっちゃうよ…。

「はぁ…」と思いため息をついた時、頭にポン。と骨の硬い感触と頭上から「ここにいたのか。探したぞ？」と言う声が聞こえた。

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