極度の対人恐怖と悪女さん。【AU】 (ページ16)

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よんわページ16

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「ん…、」

自分の寝返りした動きで目が覚める。
どんな夢見てたっけ…

それよりも、体は何時間くらい寝たのだろう。

計る術がないからわからないのだけど。

まあ、どっちみち外の世界は夜なのだろう。あ、いやまだ夕方くらいか…。

体内時計全然働いてないな。私自身も働いてないんだが…。まあ、いいそれはそれでいいと思う。

さっさとトリエルさんに会いに行こう。

パチンと指を鳴らすとサンズさんの部屋に繋げた時とはうってかわり、まるで生を司る女神がこの先に住んでいるのかと想像させるような白く綺麗なポータルが開いた。

私にとってルインズの遺跡は天国なのだ。

「ママ、ただいま」

ホームの入口でそう声を上げると、リビングで本を読んでいたのかメガネを外しながらトリエルさんが迎えてくれた。

「あら、おかえりなさい。」

私がいつものように手を広げるとトリエルさんはしゃがんでハグしてくれた。

トリエルさんの白い毛がくすぐったい。

「今日は大丈夫だった？倒れなかった？」

「…うん、ちょっと咳が出たくらいかな。」

「そうなのね、無理はしなくていいからね？あ、そうだったわ。今日は久しぶりにバタースコッチシナモンパイを焼いておいたの。一緒に食べましょう？」

「やった。ありがとうママ、あ、…その」

自分から言い出せずモジモジしていると、トリエルさんは察したのか「チョコは冷蔵庫に入ってるわ。」とクスりと笑いながら言う。

「わかった、ありがとう。」

「パイが冷めたら部屋に1切れもって行くわ。」

「うん。」

トリエルさんがリビングへ戻っていくのを確認し、私も部屋へ戻った。

「ただいま、フリ」

部屋には1人でフリスクがベッドの端に座り足をプラプラさせていた。

余程暇なのだろう。

「…！おかえりA！またポータルで寝てきたの？」

「うん。眠かったからね。」

「そっかぁ〜、でもこっちで寝たくなったらいつでも言ってね！ボクが守ってあげる！」

細い腕を曲げてアーロンに習ったのか筋肉ポーズを取ってドヤァとドヤ顔をフリスクは見せた。

「ふふ、頼もしいね。ありがとう、その時はお願いするよ。」

「うん！どんと来てよ！」

ここまで心を許せるのはフリスクが年下で、純粋潔白かつ強い心の持ち主だからだろうか。

まあ、なんでもいいか。

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