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愛してる20 ページ22

☆Aside☆

痛む腰を持ち上げて窓の外を見る
確か今日は、授業はないし校長は私の病気があってか、家でもできる仕事を渡してくれているはずだ

松代さんにニートたちの世話も任されていることだし、松野家に行こうか迷う


チョロ松がいれば気まずくなる?
いや、一松がいれば気まずくなるのは確定



「はぁ………」

ため息をついても何も始まらないのに私は大きなため息をついた

幸せが逃げていく
そういつか、黄色い彼に言われたことがある



逃げる幸せがないから、いいんじゃないかな?


伝わらない想いのはけ口を、顔のよく似たその彼の兄にぶつける
そんなクズ、どうしたって幸せになれない


奇跡なんて、ないから

「愛してる…そう、愛してるの。それだけ伝えたいのに、あなたは遠いわ…」


近くにいるのに、なぜ?
言葉は素直じゃないし、私のこと本当に嫌いなのかもしれないけれど、それでも私は好きなの


さよならは言えない
二人が出会った場所…いいえ、出会う前に戻して

二人とも、お互いのことを知らないまま時が過ぎればいい

あの夏の日、私が屋上に行かなければ良かったの?




ねぇ、教えて…?私、わからないわ

「教えてよ…一松…」



例えばあなたに、出会わなければ…今私はどんな未来を描いてた?
チョロ松と、付き合ってた?それで、幸せだった?

いいえ、他の人かも


一松と出会ったから、私は松野家のみんなと出会った



「行こ…」


松野家に行くことに決め、支度をする


夏だというのに長袖で、帽子をかぶって日傘をさす



ショーウィンドウに映った自分がとても不気味で、一瞬息を飲む


当たり前よね、嫌われるのは
こんなの連れて歩きたくないわよ


「っ…それでも好き…ごめんなさい…」


ポロポロと大粒の涙が零れ落ちて、傘でそれを隠す



「A…?」
「!」


聞き覚えのある声がして、パッと顔を上げる
しばらく視界がはっきりしなくて見えなかった



「…十四松」
「やっぱりAだー!!」

えぇ、そうね、と笑うと、向日葵のような笑顔を浮かべる

私には、眩しくて痛い



「今からどこ行くの?」

不思議そうに聞いてくる十四松に、あなたのお家。と答える
そっかぁ!!と笑った彼をジッと見つめる


やっぱり少し違うけど、似てる
まぁ、一卵性の兄弟だもの。当たり前よね


「あんねー!!僕もだよ!だから一緒に行こ!!」
「えぇ、そうね」


あなたは、私の横を歩くのに、なんの違和感も感じなかった

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松々先輩(プロフ) - 一松さん» 羨ましいです……www (2019年1月31日 8時) (レス) id: 3db3ef1937 (このIDを非表示/違反報告)
一松 - どう?羨ましい?俺もうリア充 (2019年1月30日 23時) (レス) id: 95ef69bc8b (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 一松さん» 富士山!?凄い… (2019年1月30日 23時) (レス) id: 3db3ef1937 (このIDを非表示/違反報告)
一松 - トッティがもう1回富士山登るっていったから俺らもついて行ったんだ。 (2019年1月30日 23時) (レス) id: 95ef69bc8b (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 一松さん» いえいえ!こちらこそコメントありがとうございます! (2019年1月30日 23時) (レス) id: 3db3ef1937 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:松々先輩 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2017年5月14日 23時

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