4話 ページ4
「ベッドから買いに行く?」
「アタシ普通に布団でええで?」
「あかん、俺が寝ることもあるかも知れへん」
「なんで?」
真剣にベッドを選んでいる宮の横でアタシはぼーっと枕を眺める。
別になんでもええけど、ちょっと気を使いたい部分。
アタシ枕選ぶから、宮はベッド選んでや、と言うと、二言目で了承が返ってきた。
枕コーナーに足を進める。
っていうか宮、どこにベッド置くつもりなんやろ。まぁええか、宮の家やし宮に任せよ。
枕を見ていると、決まったで、と宮が枕コーナーにやってくる。
あ、めっちゃ見られてる。
ちょっといい気になりながら宮の横を歩く。足が長いからか、少し早足になってるアタシ。
羨ましいぞ5cmくらい分けてくれへんかな。
「あ、ごめん」
アタシの方を振り返った宮はアタシの歩幅に合わせて歩く。
なんやねんイケメンやんか。せやからめっちゃモテてんやな、と納得。
服もいるやろ、コップとかもいるやろ、とブツブツ言いながら歩いている宮の横を歩いていると、あの人さー、とコソコソ噂する女の子達の声が聞こえてきた。
「カッコいいよな、何センチあんねやろ」
「隣の人彼女?」
「え〜、ええな〜羨ましい」
侑と並んどるから噂の的になってると思っとったけど、単体でもこうやって言われんねんな。
アタシ彼女とか言われとる…否定せんとなんか恥ずかしいけど、宮は気にしてへんっぽいし…。
なんか逆に気にしてんのおかしいんかな…あんま気にせんとこ。
「なぁ宮、これかわいない?」
「えー、Aに似合わんで、可愛すぎる」
「失礼な男やな」
Aはこれやな、と言って出してきたんはブタのマグカップ。しばいたろか。
ブタは体脂肪率少ないし、と言うと、何言ってんの?とキョトンとした顔を向けられた。
え?馬鹿にしとんちゃうん?
「見た目の話やで」
「しばいたるからそこ直れ」
そのあとは服を買ったり下着を買ったりした。
流石に下着買うときは外で待っといてもらったけど、最初普通に一緒に選ぼうとしてたんなんで?
あまりに自然でアタシこれどう?とか聞きそうなったやん。
そしてお昼。
グ〜…と隣で立っとるやつの胃袋が鳴った。時計を見ると丁度12時。
え、腹時計ってマジであるんや。初耳学やわ。
「そろそろメシ食わん?」
「まぁそうやな…ご飯くらい奢るでアタシ。いろいろ買ってもらったし」
「マジで?」
なにそれ、かわいい。
キラキラとまるで犬が飼い主にご飯をせがむような顔をした宮に、フハッと笑ってしまった。
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松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます!!最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です! (8月5日 17時) (レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります! (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか? (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます!頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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