いや、私女子なんだけど。［３］ (ページ10)

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１０３話※ ページ10

「あっ、ちょっ！猪原くん！」
猪原「もーらいー！エビフライ最高！」
「もー…そんなに好きならお代わりしなよ…」

ただ今猪原くんにエビフライを取られました、A。
いやまさか、猪原くんがここまでエビフライが好きとは思っても見なかった。なんか可愛い。

可愛いね、と笑えば俺？と顔を出す城間くん。

うん、違うかな。

「エビフライのお代わりまだあるってさ」
猪原「！5匹くらい貰ってくる！」
「食べ過ぎは良くないよー」
猪原「？2匹は俺が食べた分！あげるな！」

……君、なんて可愛い犬みたいな子なんだ…。

私はもう良いよ、と言って水を飲み干し、タオルがどこまで乾いたのか見に行く。
残念そうな猪原くん、すごく可愛かったな…。

あ、まだちょっと湿ってる…。

取り込むにはまだ早いとわかった私は、そのまま何も持たずに洗濯室を出た。

……ん？

庭を歩いていると、ポツッと頬が濡れる。
え、これ、もしかして……。

雨！？

嘘でしょ。

まだ食堂には距離があるし、何より屋根なんてない。なぜなら私はグラウンドのど真ん中にいたから。

ゲリラ豪雨だ。

ザーッと勢いよく降る雨の中、服に泥が跳ねないように走って食堂へ。
干してある物がないかの確認をしに行く。

「あのっ…！マネの方々、干してある物とかないですか！？」
河瀬「え、待って、ねえ、待って。Aちゃん」
「？なんですか、河瀬先輩」

それ、ちょっと刺激が強いよ…と顔を隠して言う河瀬先輩の頬は真っ赤に染まっている。

他の部員も箸が止まっていたり、水をこぼしていたり、顔が真っ赤だったりと…。

え？

城間「ッ…A！服！！透けてる！またラッキースケベ起こってる！」

かろうじて私に声をかけたのは、流石というかなんというか、城間くん。
え、透け……。

そっと自分の服を見ると、見事に濡れて肌の色と下着の白が透けていた。

…え、これ人生終わった？

「み、み…み、見ないでくださっ……」

釣られて私の顔も熱くなる。
え、待って恥ずかしい！これ一生恥じゃん待って恥ずかしい。

ジワッと涙が出てきた。

もう泣きたいよ、お兄ちゃん助けて。

潮「これ着て」

次の瞬間、ばさっとかけられる温かい上着。

かけたのは、潮くん。

……えっ？

「う、潮くん……？」
潮「先輩方も。あんまりコイツのこと見ないでやってくださいよ」

え、待って潮くん。

……えっ？(混乱)