いや、私女子なんだけど。［３］ (ページ2)

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９５話ページ2

「じゃあねっ！また時間あるとき藤井とかと一緒に遊ぼっか！」
浅川「うん…」

？なんか元気ないなー。
アイス食べてお腹壊したの？

自分の合宿所へ足を向けて走り出そうとすると、グッと体が引き寄せられる。

えっ……？

「あ、浅川…くん…？」
浅川「……あのさ…藤井とか、純正と一緒じゃなくて……お、俺と…遊ばない？」
「……え、えっと…？」

こ、これは一体どう言う状況だ？
何これ待って、朝方に何してんの私。

浅川くんをチラッと見上げると、余裕のなさそうな顔をしている。

「……ぃぃょ…」

小さくなったが返事をすると、ほんと！？と顔を輝かせる。
あ、今の顔可愛かった。

みんな私のこと好きすぎて照れる。
あ、ごめん今ふざけただけだからっ…ごめ、痛、殴んないで！？

じゃあねー、と手を振って走っていく浅川くんを見送る。

さぁ、戻りますか。

「汗掻いたな…お風呂入りたいなー…」
富士山「ね、ホントに」
「！？ふ、富士山先輩！？」

合宿所に戻って水道で顔を洗っていると、後ろから声が聞こえる。

え、嫌でも、え！？
まだ6:30ですけど！？

起床時間は7:30のはず…。

富士山「いやぁ、部屋から走っていくAちゃんが見えてね？いつ帰って来るのかなって思って見てたんだ」
「嘘ぉ…ちょっと私警戒心薄くないですか…？」
富士山「ん、ちょっとね」

よく言われます…と言うと、その話題で昨日の夜は持ちきりだったよ、と笑う。
嘘でしょ私の話してたの。

城間くんだな、と思って暗殺を目論んだが、手を下すのが面倒なので頭の中で数回殺した。

朝ごはんは良いの？と訊いて来る富士山先輩に、私の当番は明日なんで、と言う。
じゃあ時間あるんだね！と言う富士山先輩。

……ん？なんの？

富士山「昨日、海岸見に行ったでしょ？あの時に廃墟見つけてね？実は今回の合宿の肝試し極才が主催なんだ。でも俺1人じゃ怖いし、一緒に見に行かない？」

正直私もそう言う類はマジで…ちょっと勘弁してほしいんだが、富士山先輩の為とあらば私は地獄にだってついていく。

「い、良いですけど…私も苦手ですよ？」

脅かし役がいない、となるともっとだ。
だってなんかあった時嫌じゃん。だってほら、誰なんだよってなるじゃん。

2人なら大丈夫だよきっと、と確信のないことを言う。

いやいや、待って。2人だからこその恐怖があるかもしれないじゃないですか。

そんなことは言えずに、着替えた私は靴を履いていた。

あぁ……。