一松ｇｉｒｌってトリップできたっけ？【一松】

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「あらあら〜」
「え」


そう言って部屋に入ってきたのは、世界の松代さん。
そして、あらあら〜、と言いながら手際よく私の傷を手当てする。

すげえ、神業じゃね？

終わったわよ、と女神のような笑顔で言う松代さんに絶対服従を誓う。


「ところで誰の彼女かしら？馬鹿？サイコパス？それともライジングかしら。猫松？野球馬鹿？あざとい子？」
「え、え、え」


そんな、夢女子には勿体無すぎるほどのシチュエーション……。
今すぐにでも一松の彼女です！と言ってしまいたいが、今日知り合ったばかりな上、すでに一松には変人扱いされている。
その中でそんなことを言ってみろ。

先は目に見えている。


「い、いえ、私さっきそこで拾われた者でして…」
「拾っ……！？あのニートたち遂に犯罪に手を出したのね…！？ごめんなさい、穏便に済ませてくれないかしら」
「あっ！ち、違います！！寧ろありがたいくらいで…家が消えてしまったので…」


そう言うと、松代さんはまぁ！！と手で口を抑える。
そしてその顔には、『家を無くして笑ってるなんて…なんて可哀想な子！』と書いている。

すっごい勘違いだけど、まぁ黙っていた方がいいか…混乱を招かなくて済むし。


そしていつ、私は三次元(私の世界)へ帰れるんだろう。
できれば帰りたくないんだけどね？あわよくば夢小説とか夢絵みたいなことが起こってくれれば良いんだけど。

まぁ所詮、夢は夢。諦めてしっかり松野家にお金をいれなければ。


「マミー、ハニーをこのうちにおいて良いだろうか？」
「あらー、良いじゃない。そしてこのままどの松か知らないけどゴールインね？孫の顔が見れるわ〜」
「え」


つ、つつ、つまり、私が松の誰かとそう言う行為を……。
無理ッ…！恥ずかしい！！

夢小説とかで慣れてるだろ、とか思ったそこのアナタ！

全然違うからね！？状況が違う！


まず、夢小説だと実際自分が抱かれるわけじゃない。
抱かれるのは自分の名前をした夢主(・・)であって、自分ではない。これにて耐性がつくはずもない。

そして夢絵！夢絵も同じことが言えるけど、違うのは目に見えるかどうかだ。
だって夢主ちゃんみんなスタイルいいし肌綺麗なんだもん！！私あんなに肌綺麗じゃない！


最近不良の教え子持っちゃってさ…その子を抑えるだけでも精一杯で、ストレスで顔にニキビがブツブツ生まれてね……ほんとやってらんないわ…。


でもここは画面の中、つまり推しがいる。推しがいるってだけでニキビ減るわ。

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