潔癖執事とお嬢様【チョロ松】

執事が十八人 ページ20

「はぁああ……」
「あれ……今日は早いですね、お嬢様。何か楽しみな事でも？」
「逆よ逆！今日は会合があるじゃない……朝から憂鬱で仕方がないわ」


おそ松兄さんはあの馬鹿の相手しなくて良くなったから助かったって言ってましたけどね、と平然と言うチョロ松。

おそ松…あいつ今度会ったら幼虫投げつけてやる……。私が触れたらな。(Aはテンションによって幼虫に触れたり触れなかったりする)


殺気立ってますよ、とパンパンとシーツを干し、部屋に入ってくるチョロ松。
手袋をジッと見つめているので、手を洗えば？と言うと、ペコッと礼をして部屋を出て行った。



「はぁあ、もうすぐk(ドンッ……ングフッ…」


廊下を天井を見ながら歩いていると、ツボに入った。
あ、やば…お腹……痛ぇ…息できなっ……。


「きゃっ！？」

後ろでメイドの声がして、タタタッと子供の走る音が。
そのあと、私に気づいたのか「お嬢様ぁあ！！」と駆け寄ってくる。


「さ、さっきの子…誰……？」
「きょ、今日会合にいらっしゃった方のお子さんかと…」


根性叩き直すぞこの野郎…。

そこら辺の大人にはチヤホヤされて育ったんだろうけど私はそうは行かないからね…。(実際に私が体験したからねはっはっは)


「会合に出てからとっちめる」
「律儀ですね」
「チョロ松に怒られるのは嫌だからね」


そして私は会合の大広間へ向かった。
私の座る場所には既にチョロ松が待機している。
座ると椅子をチョロ松が引いた。


「では、第173回…」
「ねぇチョロ松」
「何でしょうかお嬢様」
「私のお茶はなぜ少し薄いの？」


おいA、とお父様に名前を呼ばれる。
じゃあ変えましょうよ、とお父様とカップを変えた。

相変わらず綺麗なお子さんですね、と笑うおじさん。光栄です、としとやかに笑えば、ほっと息を漏らす人達。

こちとら昔から大人の扱いには慣れてるのよ。

チョロ松は明らかに大きなため息を吐いた。


会合が終わり、いつも通りの服に着替えようと立ち上がった時。


「あ、あの、Aさん」
「え？」


可愛い系の好青年に話しかけられてしまった。
私今からぶつかってきたあの子シメようと思ってたのに。


「何か……？」
「あっ、あのっ…」
「？」


なんか頬赤いけど？
風邪？


風邪なのに会合来るとか超律儀じゃん…褒められるべき人材ね。


「あ、あのっ！！」
「うん？」


グッと何かを覚悟したような顔をしたその子。
どんな顔してもカッコいいな……。


「好きです！！」
「はぇ？」

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