カラッポ【カラ松】

Forty episodes ページ46

静かな空間

その中で、ふと思うことがある


いつから私は、こんなに汚れてしまったんだろうと

子供に戻りたいのは、純粋な心を取り戻したいから？



……違う、よね…

やり直したいだけか…カラ松と


「……honey、もう腕は痛まないのか？」
「え？あ、あぁ…もう大丈夫よ。先生がそんなことしてちゃ、示しつかないでしょ」


そう笑うと、俺の前では無理しないでくれよ？と微笑むカラ松
……うん、そうだよね…


「なんて言ったって、俺はhoneyのboy friendなんだから」
「ありがとう。頼りたい時は頼るね」


あぁ、と元気よく頷いて酒を煽るカラ松を横目で見る

花火が咲くたびに照らされる顔が、とても愛おしく思えた



あぁ、確か…昔も、コレと同じようなことがあった


夏祭りの時だったろうか？
一緒に出かけたのは…カラ松じゃ…ないけど



『おそ松、綺麗ね』


フッと頭をよぎる過去の記憶
できれば思い出したくなかったもの


なんで私は、おそ松に……



昔からカラ松が好きだった

それでも私は、何故なのかおそ松を選んだ



今こう付き合っているのに気まずいのは、私の昔の行動に問題があるらしい


「……カラ松…私……愛のある言葉が欲しいの」



そう酒の勢いで言って見る

貴方はどんな顔をする？


「あぁ！loveなら俺が沢山あげるぞ！！」
「……そうね、ありがとう」


そうだ、カラ松に何を言っても、空っぽの言葉しか返ってこない

そんなのわかりきっていることだったのに



なんで、どうして…こんなに、胸が締め付けられるんだろう


「愛してるぞ、honey！」
「……私…も……愛してる」


好きだなんて言葉、望む方が馬鹿だったのかもね


電話してくるね、と言って外に出る
携帯を取り出し、私はある人に電話をした




『はい』
「……一松…辛い…」
『え、ちょ…A？』


電話越しから聞こえる声に焦りが見える

大丈夫だろうか、カラ松に聞こえてないだろうか


そんな心配も浮かばないほど、私は悲しかったのかもしれない



「一松……私…ごめんね、私…今、酔ってて……ちょっと、涙腺馬鹿になっちゃってて…」
『A、一回落ち着こ？なんかあったの？』
「………」
『クソ松関係だろうけど…今どこ？』
「…今は、旅行に来てて。突然悲しくなったの。ごめんね、迷惑だよね…』


全然大丈夫、と言う一松


なんで、こんなにみんな優しいの…？



『とりあえず帰ったら家行く。待ってて』
「……うん…」



＿＿＿


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