カラッポ【カラ松】

Five episodes ページ7

「また休んでるんですか！？」
「あぁ、これで一週間だね。もうそろそろ出席日数が…」

私は先生の前で口をパクパクしていた
まさか出席日数が足りない生徒が自分のクラスから出て来るとは思わなかったのだ

「…でね、Aには悪いんだけど、一度家に行って学校に来るように説得してくれないか？」
「えぇ…私ですか？」

そうだ、と言われて肩を落とす
今日は猫ちゃんたちと戯れたかった…

まぁ先生に言われたことなので、ちゃんと家に行こう

「はぁ……」
「どうしたの？なんかあった？」

教室に戻って帰りの用意をしていると、隣の席の生徒会長が話しかけて来る

「う〜ん、おたくのとこの次男くん、学校の出席日数がヤバいんだってー」
「え！？嘘でしょ！？」
「だから、今日私が言いに行くの」
先生のパシリよパシリと笑うと、俺から言っとくよ？と困ったように言って来るので、良いの！と言う

「なんで？」
「私の教室の生徒だもの。私が言いに行くわ。それに、生徒会長は自分の勉強で手いっぱいでしょ？」
ニヤッと笑うと、Aみたいにできるはずないでしょ、と冷静に返された

頭も良いしスポーツもできると言うのは私の噂
ま、実際できるので噂ではないんだけど
じゃあ一緒に帰らない？と言われたので、うんと答える

いつもとは違う帰路で帰る
この道も、道端の花も、ここから見える夕焼けも

全てが新鮮で嬉しい

「あー！！チョロ松！！なんでマドンナ連れてんの！？」
「あー…うるさいのが来た…」

あからさまに嫌な顔をする生徒会長
こんな顔もするんだ…

「えーっと…おそ松君かな」
実はまだ一松と生徒会長、カラ松しか見分けがつかない

「そう！俺がおそ松！本当に可愛いね、AAちゃん？」
「フルネーム…Aで良いわよ、かたっ苦しいのは嫌だし」

そう言うとなぜか感動する
？を浮かべていると、さっさと行こう、と腕を引かれた
「面白い兄弟さんだね」
「クズなだけだよ」

ため息をついてここが家、と見上げたお家はとても大きかった

「…………」
「入らないの？」
「…入る…。お邪魔します」

玄関に並ぶ靴が多すぎてちゃんと自分のをみんな履いているのか、と疑っていると、A…？と低い声が上がった

「！カラ松！」
あのねっ、と怒りを抑えながら上がると、まぁまぁと一松に抑えられる
「一松！抑えないで！私こいつのせいで今日猫ちゃんのところに行けなかったの！」
「え！？それで怒っているのか！？」

カラ松の胸ぐらをつかむ勢いで近づいて行くと、居間からあざといオーラが見えた

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