カラッポ【カラ松】

Twenty one episodes ページ24

「なんでこうなるまでほっとくかなー」
「ごめん……」



あの後、家まで送ってもらい、今は看病され中だ

朝から少し頭が痛かったが、我慢して学校まで電車に乗って行ったのである
となりのサラリーマンうつってないかな…


おそ松は車の中でぐちぐちと文句を言っていたが、送ってくれたということは心配はしてくれている


「何食べたい？って言っても作れるもののレパートリー少ねぇけど」
「んー……ォヵュ…」
「おかゆね、りょーかい」
「台所破壊しないでね…」



するかよ、と言っていたがしそうなので冗談で言ったわけではない

火事にはしないで欲しい



「はいできたー。熱ぃ」
「あれ、意外とまとも……」



出てきたおかゆは意外とまともで、おそ松が作ったのか疑う
家庭科の先生に「調理室、および調理実習室立ち入り禁止」を食らったおそ松の事なので、ダークネスな料理が出てくるかと誤解していた


「食べれる？」
「ん…」


起き上がって渡されたおかゆを口に運ぶ
薄い塩味と、鮭フレークの風味が広がって心が温かくなった



「……おいし？」
「うん…ありがと」
「…そういやさぁ、なんで泣いてたの？」


そう言うおそ松の目はいつになく真剣だった
……泣いてた？私が？


「車でお前運んでる時に、寝ちゃって。毛布かけようとA見たら泣いてんだもん。びっくりした」
「私が、泣いてた…？」
「え？覚えてねぇの？」


そういえば、やけに頬が乾いているような気がしたんだ
涙の跡だったのか…



「……ちょっとね」


そう言ってまたおかゆを口に運ぶ
黙ってそれを眺めていたおそ松は、ゆっくりと呟いた

「……カラ松？」



どうしてこう、勘がいいのか…

手を止めた私を見つめたおそ松は、もう一度カラ松？と優しいトーンできく


「……えぇ、そうよ。怖いんだって。私のこと」


そう言うと、ジワッと涙が溢れ出す


どうしてカラ松のこと好きになったんだろう
私なんて、誰のことも好きになっちゃいけないのに


嗚咽を抑えていると、おそ松の大きな手が私の背中をさする


その動作が、どうしても初めて付き合った時のカラ松の手を思い出して


私の中はカラッポだ




「A、泣き止んで？」



頭をそっと控えめに撫でるおそ松の手を、そっと握る

肩を震わせたおそ松がジッと私の顔を覗き込んだ


…………似てる、なぁ…




キュッと指を掴んで、ごめんね、と呟くと、懐かしい香りに包まれた


「……え…？」
「ごめん、A。やっぱ好きだわ」

Twenty two episodes→←Twenty episodes

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す