僕の大好きな君 2

「好き」ということ-F-4 ページ39

「あ……ごめん！」

みっくんがなぜかあやまり、振り返って、走り出したので、慌てて呼び止めた

「あ…待って！！」

そこで、女の子が一緒だったことを思い出し、


「ごめん、俺もう行くね

本当にありがとう！！」

言って、彼女をそのままそこに残し、みっくんを追いかけた




講義の帰りだったのだろう


さっき向かっていたのは駅の方だ
みっくんの家とは方向が違う

もしかしたらバイト終わりの俺に会いに来てくれたのかも知れない


すぐに追いかけたはずが、たった一瞬目を離した隙に、あっと言う間に見失ってしまった


いったいどこに行ったんだろう……


闇雲に走ってもみつからず、メッセージも既読にならなかった



仕方なく、会えるあてはなかったけど、キャンパスの方まで戻ってみる




そう言えば中学の時、同じようなことがあった



あの時は逆の立場で




みっくんが女の子と腕を組んで歩いているのを見てしまい、
彼女だ、と思った瞬間、胸が痛くて逃げ出した


なんで逃げるんだと聞いたみっくんの言葉が忘れられずにずっと残っていた



その時の俺にはっきりした自覚はなかったけど、後からもしかして、 と思った



もしかして、

俺は、

みっくんに恋をしているのかも知れない、と





でも、だとしたら、じゃあ


さっきのみっくんは？


いくら、キスしてるところを見てしまったとしてもただの男友達なら、翌日にでも冷やかして終わり、くらいのものじゃないだろうか


みっくんはなぜ、逃げるように居なくなったんだろう


やっぱり、みっくんのくれた「好き」は、俺と同じ好き、なんだろうか


希望的観測に胸が高鳴り、早くみっくんに会いたくて、みっくんに会えそうな場所へ急いだ

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