僕の大好きな君 2

再会-F-6 ページ11

みっくんとキャンパスで再会した夜


ひとり、自室のベッドでそんな昔のことを考えていた時、ふいに携帯が鳴った



電話を知らせる着信音



もしかして、と画面を見ると、

懐かしい、みっくんの名前がそこにあった


ほんの少し、緊張で震える手で、携帯の画面をタップする



『太輔？』



久しぶりに耳元で聞くみっくんの声は男性にしては甘くて高いけど、あの頃に比べるとずいぶん大人になった



「………うん」


『よかった、電話つながって』


今日は久しぶりに会えて嬉しかったよ、と優しい声で言う


「…同じ学校なんて、知らなかったよ

しかも休学って、
………どうしたの？」

渉に聞きはしたけど、みっくんからちゃんと事情を聞きたかった


『ああ、うん


かあちゃん、身体壊しちゃってさ

入退院繰り返しだったから

でも、今は良くなったんだ』

と、出来るだけなんでも無さそうに言う



「そう、だったんだ…」



うつむく俺に電話越しでも気付いた様子で、ふ、と微笑むのが空気で伝わって来た

『太輔が落ち込むなよ』

でも、ありがとう
電話越しに笑うみっくんに胸が痛くなる




いつも、そうだ

みっくんは自分で抱えてひとりで解決しようとする






『太輔さ、今度ゆっくり会えない？かな…』



それはみっくんにしては、ちょっとだけ、弱気な聞き方に感じた


断る理由なんて、何もみつからなかった

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