僕の大好きな君 2

再会-K-6 ページ12

数ヶ月前、彼女と別れた

俺と一緒にいても寂しいと言われてしまった

そうなのかもしれない、と思う

その恋の終わりは、俺にとっても切ないもので、少なからず俺も彼女を好きだったことに気付く

ちゃんと大切にしていたし、ちゃんと好きだった

でも、彼女は、きっと俺の中にある、何かいつも満たされない想いに気付いていたのだろうと思う


そして、もう、不毛な恋はやめようと心に誓った

もっと自分自身がちゃんと人を大切にしてあげられる準備ができるまで、ひとりでいい

寂しさを埋める為の恋は、寂しさしか生まないのだと言うことに、はっきりと気付いた


太輔に対する気持ちは、幼い頃のきらきらした綺麗な思い出だからこそ、忘れられずにいる、それだけなんだと思い込み、機会があればまた、なんでもなかったように、ただの幼馴染として、太輔に会いに行こう


そんなふうに思っていた矢先、
太輔に、ふたたび出会った


再開した太輔は、以前にも増して綺麗になっていた

きれいと形容されるのは本人的にどうなのかわからないけど、中世的な不思議な魅力で男女問わず惹きつけ、いつも注目されていた

しかし本人にはその自覚がまったくないらしく、太輔はいつも飄々としていて、そこも魅力的に映るのだろうと思う


普通に会おうと決めた途端に会えるなんて、運命的だなと思った

ぐずぐずしているのは性に合わないので、その日の内に電話をして、また会えないかと聞いてみると、太輔は特に考える様子もなく、いいよと言ってくれた


待ち合わせの日、校内のカフェテリアで太輔を待っていると、サークルの仲間達が俺を見つけて寄ってきた

わいわいやっていると、遠巻きに太輔が見ているのに気付いて、仲間に別れを告げた

みんなが一斉に太輔を見たから、ペコリと頭を下げる太輔

すると仲間が、
「あの人みっくんの友達なの？」
と口々に聞いてくる

幼馴染だよと伝えると、
今度紹介してと言うから、今度な、と適当に返事をして、太輔のところへ向かう

俺の優先順位はいつだって太輔が1番だ

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