僕の大好きな君 2

再会-K-5 ページ9

最後に会ったあの日から、お互いにずっと連絡が取れず、高校に入学した

連絡できなかったのは、どうでも良くなったとかそんなことではなく、


むしろ、気になって、


気になりすぎて、
　

そんな自分に戸惑って、
会う自信を無くしてしまっていたからだ


自分の気持ちに気付いたからと言って、いったい何ができると言うのだろう

相手は男だ


完全にこどもなわけではない今の俺には、昔のように無邪気に好きと伝える術を持ち合わせてはいなかった



サッカー部のマネージャーとは卒業を待たずにお互い納得して別れ、その噂が広まるとすぐに違う女の子から告白を受けて、付き合うことになった

叶うはずのない俺の恋に目を瞑るためには好きな人を見つける他ないような気がしていた


そんなことを何度か繰り返している内、いつしかプレイボーイのレッテルを貼られるようになっていたけれど、俺には遊んでいる自覚は毛頭なかった


一生懸命告白してくれる女の子ひとりひとりに誠意を尽くして、別れることはその結果なのだから



そうして、ひととおりいろいろ、恋愛経験を積んでいった

　

隣町から太輔のことを聞くことがあったが、大人しく優しい太輔らしく、誠実にひとりの女の子と付き合っていると言う噂だった

その噂に、
ちくりと胸の痛みを感じながら

何も出来ず
一生懸命がむしゃらに日々を過ごしていた

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