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再会-K-3 ページ6

太輔に再会した俺は、中学2年生の夏の日を思い出していた


この頃、母親が仕事を休みがちになり、俺は家事を手伝いながら塾や部活に追われ、以前のように太輔に会いに行けなくなっていた
 


そんなある日、部室に帰ろうとするとマネージャーに呼び止められ、告白された

それは俺にとって初めての告白だった


俺の気持ちも良く分からなかったが、一生懸命なその子に答えてあげたいと思い、俺たちは付き合うことになった

付き合うと言っても昼休みにお互いのクラスに行って話をしたり、部活終わりに一緒に帰ったりする程度だった


折を見て太輔に電話をしたが、なぜか出てくれず、何かあったのだろうかと気に掛かっていた


そしてその夏の終わり頃、彼女と部活の買い出しに街へ出掛けた時、太輔を見かけた


「太輔!!」

しばらく会っていなかったが見間違える筈はない、懐かしい太輔


呼びかけ、大きく手を振ったが、太輔は踵を返して、まるで逃げるようにその場から走り去った


「北山くん!」

彼女が俺を呼んでいたがその時は太輔を追うのに必死だった


全力で走り、やっと太輔に追いつく


「待てよ太輔!!」

はあはあと荒い息を繰り返す太輔をひとまずその側のガードレールに座らせ、俺も目の前にしゃがみ込む

お互いの呼吸が落ち着くまで待ち、もう逃げないように太輔の身体をがっちり掴んで顔を覗きこんだ


「太輔どうしてここに
そんでなんで逃げんだよ!」

俺のなんでには答えず、太輔がぼそぼそと呟く


「...今日模試で会場がこの街だったんだ」

「来るって教えてくれれば、俺待ってたのに」

「...ごめん」

「...太輔さ、
俺に何か言いたいこと、ある?

ずっと、お前変だったろ?

電話出てくれないし、今だって」

やっと会えた太輔に、ずっと気がかりだったことを聞いてみた


すると、太輔は目を伏せ、泣きそうな顔で言った


「...みっくんに彼女ができたって、聞いて...

胸が痛くて、

俺、もうみっくんのそばにいちゃいけないのかなって、

思って...」




…なあ、太輔…

それってどんな意味?

俺に彼女が出来た事聞いて、

俺が離れて行くと思って、やきもち、妬いてたの…?



それは、

その出来事は、なんとも言えないくすぐったさを俺の胸に残した


まだ大人の管理下にある今はどうしようもないけれど、沢山の経験を積んで、太輔を守れるような大人になったらきっと迎えに来よう


こどもながらに、そんな覚悟をした瞬間だった

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まひろ(プロフ) - ちびさん» パスワードのお部屋は現在2箇所ございまして、そのパスワードが当て嵌まるのは『日常のひみつのふたり2』です。お入りいただけますように🙏 (2023年3月8日 22時) (レス) id: 545ef390a1 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - 大丈夫です、本当すみません、すぐ見に行くのでお知らせだけお願い出来たら、またやってみます、誕生日もあってるんですがね泣 (2023年3月8日 22時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - ちびさん» ちびさん、そうなのですね💦パスワードは解けましたか?プロフからメッセージを送る、としていただければ、直接お教えできるのですが…💦方法を検討してみますね💦 (2023年3月8日 22時) (レス) id: 545ef390a1 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - またリクエスト失礼します、私あの甘々藤北が好きなんで藤北屋台のような、日常の話見てみたいです⚪︎良かったらお願いします (2023年3月8日 22時) (レス) @page50 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - そうなんです、特にオークラくんと薮くんには甘々であれは藤北担としては、妬いちゃいます、だからまひろさん仲良し藤北めっちゃ好きなんです (2023年3月8日 20時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まひろ | 作成日時:2022年4月23日 0時

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