勇者になるなんて聞いてません！！ (ページ22)

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20話ページ22

----------------？？？視点----------------

あの方から連絡が来たようだ｡

応じなくては｡

？？「どうやら､勇者が生まれたようだ｡」

「本当ですか｡」

？？「その中にもしかしたら危険視しておかなくてはならない存在…『シグ＝アウラ』と似た魔力の波動を感じる存在がいる｡」

淡々とした声にハッとする｡

「その者のお名前は？」

気になるから僕は名を尋ねた｡

？？「どうやらシュウと呼ばれているまるで少年の様な顔立ちをした少女らしい｡そして､不思議なことに確かに莫大な力を秘めているが不安定」

シュウという名なのか…｡

いや､シュウの魔力の秘密…これはすぐに調査しなくては…

全てはあの方の為だ｡

勇者一行であれば…皆は旅をしているはず｡

それなら僕はそこに混ざればきっと効率良く良い情報を得られる｡

絶対に彼ら…いや､彼らか彼女らかはわからないが勇者一行の…ううんシュウの魔力の秘密を探らねば｡

とりあえず､来るまではこの町で待機だ｡

「だけどその前に……アレを仕掛けなくては」

そう呟いて和服の上にお気に入りの黒衣を纏い外に出る｡

あの方から頂いた魔狼の集団を森に放せば､きっとここに来るに違いない。

あの場所にはここを通る必要があるのだから…｡

くるりと身を翻すとお気に入りの黒衣の袖がゆらりと揺れ､紫色の数珠の様な物がキラリと光ったと同時に少し草が生い茂った様な気がした｡