嫌いになりたいと思う恋【黄瀬涼太】

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黄瀬side




青峰っちの話とマネージャーの話を聞いて
全て納得した。




あの時の...Aっちの行動の意味も

あの時の...あの辛そうな顔も



全部...意味がわかったっス









大好きな人がいなくなって



大好きな人に裏切られて



これ以上ないってくらい...
辛くて...



Aっちの事を考えないように
必死に仕事して...






こんなに辛いなら好きになるんじゃなかった

恋なんかするんじゃなかったって








なのに嫌いになれなくて

嫌いになれれば楽なのに




嫌いになるどころか日に日に愛しくなって



何度も...
会いたいって思ってた






でも...オレなんかよりも

何倍も...何倍も辛くて苦しんでたのは
Aっちの方だったんス









オレなんかよりも...ずっとずっと。







Aっちは優しいから
自分のことより周りのことを大切にするから






だからオレを傷つけたって
ずっと自分を責めてきたはずっス






あの時は...死ぬほど苦しくて辛かったっスよ




でもそれ以上にそう感じてたのはAっちで

そんなAっちのおかげで
今の " 黄瀬涼太 " がいる。








今すぐ会いに行きたい。

会って顔を見たい。






でも...なんて言えばいいか分からない
今さら...






" 今さらとか２年とか...
どうでもいいだろーが。
大事なのは今のお前の気持ちじゃねぇの？
会いたい、好きだって思うなら
会いに行くしかねーだろ "



そんなオレに青峰っちはそう言った...

そして...

" 成人式来いよ。
Aも来るからよ "


って...









成人式...ホントは行くつもりはなかったっス


行ったら大変なことになりそうだし...








でも会いたい。






すごい人で見つけられないかもしれない。






だけど会いたい。









会ったら...

ちゃんと...謝りたいっス






そして...今のオレの気持ちを伝えたい。









思ってた以上に会場はすごい人で...



あっという間にオレって気付かれて
周りに人が集まって来た。







あー...これじゃ...
見つけられないかもって...









でも不思議と一瞬で目に入って来たんス





あの時と変わらない


オレとずっと一緒に過ごしてた時と変わらない



綺麗なキャラメル色の髪。






オレから逃げるように歩いて行く歩き方







Aっちっス








気づいたらオレは追いかけてて声を掛けてた。

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