嫌いになりたいと思う恋【黄瀬涼太】

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黄瀬side




青「話は...Aのことだ」


黄「あっ...あ、もしかして結婚するんスか？」





青峰っちの口から聞く前に
オレは自分の口でそう聞いた...





青「は？馬鹿か。
何でそうなんだっつーの」



黄「イヤ...指輪...してるし？」



青「Aといいお前といい面倒くせぇな。
俺だって指輪くれぇするっつーの。
これは結婚とか関係ねぇ。
ただのペアリングだ」



黄「ペアリング...」



青「言っとくがAじゃねーぞ
俺たちの関係は昔も今も変わってねぇ」








昔も...今も変わってない...


マネージャーの言ってた言葉が頭をよぎる。





黄「...あの時...」


青「あれは全部嘘だ。
馬鹿な頭で必死に考えた
Aなりのお前を守る方法だ。
付き合ってもねぇし
抱いてもねーし...
俺たちにそんな関係はあり得ねーよ」



黄「...くっ...
何でっスか？何でみんな今さら...
何で今さら言うんスか？」


青「今だから言うんだろーが。
今だから言えるんだろーが！！
あん時言ったら意味ねぇだろ...」


黄「でも...今さら知ったって...」


青「...俺も言うつもりはなかった。
後悔してねぇと思ってたからよ。
けどあいつの中ではまだ...
あの時のまま時間が止まったままみてぇだ。
お前の活躍は嬉しいし
良かったって心からあいつは思ってる。
でもお前を傷つけたことは後悔してる。
今さらでもなんでもねぇ。
あいつはあの時のまま...前に進めてねぇ。
今もずっと黄瀬を想ってる
お前の...お前の気持ちが聞きてえ。」



黄「...オレは...
ずっとずっと忘れられないっス
今でもオレの名前を呼ぶAっちの声が聞こえる。
裏切られたんだって
嫌いになりたいって...
どんだけ思っても嫌いになれないんス
他の人を好きになれたらきっと忘れられる
...そう思っても浮かぶのはAっちで...
青峰っちと一緒にいるんだって考えただけで
胸が苦しくなる。
２年経ってもそれは全然変わらない...
オレ...Aっちを嫌いになんかなれない。
だって...今でもスゲー好きなんスもん。
でも...傷つけてたのはホントはオレで...
オレのせいであんなこと...
今さらオレ...会いに行っていいのかよ...」



青「今さらとか２年とか...
どうでもいいだろーが。
大事なのは今のお前の気持ちじゃねぇの？
会いたい、好きだって思うなら
会いに行くしかねーだろ」




青峰っちはいつになく真剣な顔でオレにそう言った。





青「成人式来いよ。
Aも来るからよ」

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