嫌いになりたいと思う恋【黄瀬涼太】

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２０歳になってお酒も飲めるようになり




苦手だった人付き合いも
それなりに出来るようになった。





だから大輝と過ごす時間も自然と減った。









青「お前、成人式行くか？」





大輝が突然私に聞いて来た。


もうすぐ成人式がある...

正直行くか迷ってる。




その理由は...
帝光中だった子や海常だった子に
いろいろ涼太のことを聞かれそうだから。





" もう別れてるから "



ってただそう言えば良いだけなんだけど...







週刊誌のこともあったし...

って...もう２年も前の話か。






きっとみんなの中では過去の話。



気にしてるのは私だけ...





それに涼太は来ない。

あんな有名人来たらパニックになるもんね。









貴「行くよー！もちろん！」



青「...無理すんじゃねえぞ」








そう言って大輝は私の頭を優しくポンッとする。









ん...？






今...大輝の薬指...




キラッと光ったのは間違いなく指輪。









貴「ちょちょちょー！え、何これ！！」




私は大輝の手を掴み、まじまじと指輪を見る。




青「あん？何って...
見りゃ分かんだろーが...」




確か...大輝さ。

私が涼太に指輪もらった時...



" 全く羨ましくねーよ
むしろ指輪なんぞ一生必要ねえ
邪魔なだけだろ(笑)"



って言ってなかった？







いや...そんなことより！!








貴「え...大輝彼女いたの？」



青「おう」







最近は大輝と過ごす時間も減ってたし

大学で１日話さない日もあった。








そっか、大輝に彼女かー。







青「そろそろお前も前に進め。
どうせ罪悪感で恋なんか出来ねえとか
馬鹿くせえこと考えてんだろーが」







あながち間違ってはいない。


だけど...罪悪感だけじゃない。





多分...私はまだ涼太を忘れられてない。








貴「うん。そーだよね。
私も...恋したいなぁー」







何これ...？


あの日以来...

大輝が今日だけは泣いていいって言った
あの日以来...



泣いたことなんてなかったのに


なんで今？





涙が溢れでてくるの？









青「こっち向けよ」





ダメだ。

こんなの大輝に見せられない。





青「...やっぱ後悔してんじゃねえかよ」


貴「しっ...してないしてない！
これは嬉し泣き！！
大輝に彼女が出来て嬉しいの！！」








私はそう言って走って大輝の側から逃げた。

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