story26 ページ26
時計の電池を抜いて
止まったままの時計でも...
当たり前に朝は来て時が流れていることを
嫌でも思い知らされる。
地方での撮影から戻ってきて
置いていったお揃いのスーツケース。
私はそのスーツケースを開けて
パンパンなるくらいの涼太の荷物を詰め込み
玄関に置いた。
何時になったかも分からない。
時間を見るのか怖いから...
もうすぐ涼太を傷つけなくちゃいけない。
涼太とお別れしなきゃいけない。
何度も何度も...
このまま時間が止まってくれればいいのに
って涼太と過ごしながら思ってきた。
だけど今日ほど思ったことはない。
ただボーっとベッドで横になって過ごした。
" ガチャ "
その音で慌てて起き上がる...
青「お前...鍵くれえちゃんと閉めとけよ」
貴「...あ...大輝。
もう...そんな時間か...」
一瞬...涼太かもって期待した。
ばかだな私...
青「黄瀬もうすぐ来るんじゃねーの?」
貴「あ...うんケータイ見てみる」
鞄にしまったままになっていたケータイを取り出すと
もう時間は17時半を過ぎていて...
涼太からは3度の着信と
" 今向かってるっス "
と...メッセージが入っていた。
貴「今向かってるって...」
青「後悔するくれえなら今のうちやめろ」
貴「大丈夫。後悔はしない」
私はそう言って...上着を脱いで下着姿になった。
そんな私の姿を見て...
大輝も私が本気だと察したのかTシャツを脱いで
上半身を露わにした。
こんな状況なのに不思議とドキドキもしない。
涼太とならドキドキが止まらなくて心臓が飛び出しそうになるのに。
私と大輝はベッドの上に座り向かい合う...
" ガチャ "
ちょうどその時...涼太が来た。
涼太が来たことに少し動揺した私に大輝は...
青「もっとこっち来い」
そう言って私を抱き寄せて...
涼太に見せつけるように私にキスをした。
黄「え...待って。
青峰っち...な、何してる...んスか...?」
青「あん?黄瀬か...
お前タイミング悪りいんだよ。
何って見て分かんねえのかよ?」
黄「Aっち?
これ...どーゆーことっスか?」
そう言って私を見る涼太の瞳は
すごく悲しそうで...
そんな顔をさせているのは私なのに
胸にガラスが突き刺さったかのように
すごく...すごく胸が痛い。
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suzu4578(プロフ) - とっても素敵な作品でした!☆10じゃ足りませんよ!!! (2022年4月16日 17時) (レス) @page45 id: 2bb44b4795 (このIDを非表示/違反報告)
はるぴょん - もう号泣しました。青峰くんの優しさと、黄瀬くんの一途さにもう…好きな作品です。 (2022年2月24日 2時) (レス) @page45 id: 5b47857afa (このIDを非表示/違反報告)
7nana23(プロフ) - Mさん» コメントありがとうございます(●´ω`●)青峰君今回も活躍してくれました♪そろそろ青峰君の小説も書きたいと思っていたので、、、少々お待ちくださいませ^ - ^ (2019年5月16日 21時) (レス) id: 6aff11dccc (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 感動してしまいました(´-`).。oO今回も書く青峰くんも好きなので青峰くんも新しいの書いて欲しいです^^ (2019年5月16日 20時) (レス) id: 218cb5622c (このIDを非表示/違反報告)
7nana23(プロフ) - kirakirahikaru0さん» コメントありがとうございます!楽しみにして頂いてただなんて...嬉しいです!素敵な作品と言って頂け感謝感激です(><)これからも頑張りますのでよろしくお願いします!! (2019年5月15日 7時) (レス) id: 6aff11dccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:7nana23 | 作成日時:2019年4月13日 17時