嫌いになりたいと思う恋【黄瀬涼太】

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黄「じゃあ、行って来るっス。
あと...昨日は言えなかったんスけど...」




貴「ん？...なに？」







涼太は軽く私を抱き寄せて
私の頬に顔をうずくませながら






黄「オレの主演するドラマっスけど...」



貴「ラブストーリーなんでしょ？」



黄「あ、うん...
そうなんスけど...それで...」



貴「ふふっ(笑)
キスシーンとかラブシーンがあるんでしょ？」



黄「え？！」



貴「恋愛ドラマ大好きだもん。
だから...そうゆう流れあって当然だよ！
大丈夫。ドラマでしょ？
でも...まぁちょっとは女優さんに妬くかもしれないけどね(笑)」



私は思っていることをきちんと涼太に伝えた。




黄「オレAっちだけっスから！
３カ月待たせるけど待ってて。
時間あるときは連絡するっス。
だから寂しくなったり不安なときは
遠慮しないでオレに連絡いれて！」




貴「うん、分かってる」







昨日...きちんと涼太と向き合ってなかったら
きっとこの３カ月不安しかなかったと思う。



涼太のドラマを観てあげれる余裕も
きっとなかった。






今は涼太が演じるラブストーリーがどんななのか
それを観たい気持ちの方が大きい。







貴「涼太、行ってらっしゃい。
頑張ってね。大好きです」




黄「オレは愛してるっス(笑)」







そう言って私たちは
熱くて長いキスを交わした。







そしてアパートの扉の前で別れる。









本当はもっと堂々と見送りに行きたい。


だけどそこは我慢しなくちゃいけない。
私たちが一緒にいるためには


割り切ることも大切だよね。









涼太を見送った後、
私はそっと唇をなぞった。





まだ涼太の唇の感覚が残ってる。





え？

いつから？

今気がついた...



私の薬指にはピンクゴールドの指輪がはめられていた。


涼太...いつの間に...






嬉しくてにやけながら
もう一度涼太と寝ていたベッドにもぐる。




ベッドはもう冷たくなってて
涼太の温もりが消えてしまってた。






だから私は涼太がリビングに脱ぎ捨てていた
スウェットのトレーナーを拾い上げて
抱きしめながらもう一度目を閉じた。









それからどれくらい眠っていたんだろう...









ハッとして目を覚ますと...




え、ヤバっ...






もう大学が始まってる時間...








私は慌てて着替えて
メイクもせずそのまま走って家を出た。





遅刻なんて一度もしたことないのに！



大輝のこと言えなくなるじゃん...

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