暖かい心を持つ者 ページ6
『えっと…これは…逃げないとヤバいやつ…？』
Aは今、探偵社の医務室の台の上に縛り付けられている。
「おやおや随分と大怪我してくれたじゃないか、えぇ？A」
恐怖の笑みを浮かべて近付いてきた与謝野。
『やばい！逃げなきゃ！異能力___』
Aは異能で逃げようとしたが、与謝野に止められた。
『え"？なんて力なの！与謝野
与謝野に掴まれた腕を見て驚愕した。
「さァ！治療の時間だよ！！」
──ぎゃあああああァァ！！！！あっ
『はァ…何でこんな事に…』
一通り治療を終えて、身体が全快の状態になったAは探偵社のソファに寝そべっていた。
『今日は酷い一日だった…
組合に誘拐されて、空から落ちて、爆風に飛ばされて、おまけに与謝野先生の治療を受けて…
…否、明日の方がヤバいかも』
Aは顔を青白くして呟いた。
時刻は深い夜の真っ只中。
「やぁA、工合は如何だい？」
探偵社を後にし、ポートマフィアの拠点に戻ろうと歩き出したところでこの男、太宰に声を掛けられた。
『幻覚か』
そう呟いて再び歩き出した。
すると太宰に腕を掴まれた。
『疲れてるんですけど』
「私が送って行ってあげるよ」
『本当？じゃあおんぶして？』
「え」
Aは突如目を輝かせ、返事も聞かずに太宰の背に飛び乗った。
「ま、いいか」
太宰は諦めたように笑った。
夜道を歩きながら会話を交わした。
「…恐らく、今敦くんと社長が明日の件で話し合っている
最悪の一日になりそうな予感だ」
『だよねえ…真逆とは思うけど…』
「その真逆」
えぇ〜、と項垂れるA。
『二人の相手するの面倒臭いんだけど？』
「本人の前で言う？」
敦の発想から、一夜限りの伝説の三人組が復活するかもしれない、そう二人は踏んだのだ。
『…もう此処でいいよ』
「そうかい？じゃ此処で」
そう言ってAを下ろした太宰。
『アンタさぁ、もう一寸危機感ってものを持ちなさいよね！今のマフィアにはアンタの頸を狙ってる輩なんてゴロゴロ居るんだから』
「ご心配どうもありがとう
でも、大丈夫だから」
『判ってるけど…』
口を尖らせたAを見て、太宰は頭を優しく撫でた。
「Aは優しいねぇ、心が温まる」
歳下扱いされている気がしてAは拗ねた。
『兎に角！私が居ない間に死んだら殺すから！』
太宰はそんなAを見て笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かなこ - 中也❤愛してるぅ (2021年11月19日 14時) (
レス) @page3 id: 84f9a9af20 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - RENKAさん» 本当ですか！！めっちゃ嬉しいです〜♡ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします♡ (2021年11月7日 14時) (レス) id: 008ae2747a (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - 最初から見させていただいてます！読みやすくて面白くて最高です！ (2021年11月7日 1時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - あいでっとさん» コメントありがとうございます！シリーズ3の話がいっぱいになりましたらこちらに移行しますね！もう少しシリーズ3をお楽しみ下さいませ！ (2021年8月23日 17時) (レス) id: 008ae2747a (このIDを非表示/違反報告)
あいでっと(プロフ) - 早く見たい…← (2021年8月23日 17時) (レス) id: 81182bc18e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：myu | 作成日時：2021年8月23日 13時
