汚い過去も必要?【カゲプロ】

happy end　NOside ページ29

―――happy end

マリ「皆がいないこんな世界なんて…」

!!

誰からともなく嫌な予感を察知した。
その予感は必ず当たるものだと、皆は理解し、それでもなお誰も動くことができなかったのだ。

―――ただ一人を除いて。

『マリーちゃん!!ダメーーーーーー!!!!!!!!』

Aはなぜ動くことができたのだろうか
普段の好奇心旺盛な性格からか、はたまた実際に自 殺を行える行動力からか。

そんな疑問もそこそこに、Aはマリーに飛びついた

マリ「Aちゃん!?なんで…どうして邪魔するの!!」

『…』

マリ「答えてよ!!」

Aは、ゆっくりと勇気をためるような間を空けてから話しだした

『…ねぇ、マリーちゃん。僕たちがいるよ?
マリーちゃんがセトを、仲間を大切に思う気持ちは解る。そんなの僕だって同じだ
でもさ、それをなかったことにできたとして、何になるの?こんなの間違ってる。
人生は、一度きりだから面白いんじゃない!』

マリ「Aちゃん…でもｯ!!」

『大丈夫だよ!きっと、最高の幸せが過去にないことが分かる時が来るからさ
いつも前を向いて、未来をしっかり見て。ひとりじゃないよ?』

マリ「………ｯ あ…り、がと」

少女は泣き出した。

“マリーちゃんをお願い”

そう視線でシンタローに伝えるとAは振り返り、クロハにも問う。

『クロハ、君は本当はこんなこと、したくないんじゃない?
きっと、クロハの心のどこかでは、寂しいという感情が勝ってる。違う?』

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