汚い過去も必要?【カゲプロ】

＃６９　溺死　モモside ページ21

モモside

モモ「ﾊｧ…ﾊｧ…」

私は今、クロハってヤツから逃げている。

今どこにいるとかは知らないけど、さっきから何の動きもない。
少し様子がおかしいんじゃないかなって、密かに思ってるんだ。

あぁ、でもここに居ると嫌でも考えちゃうよなぁ。
私が溺死したときのこと。

具体的にって言われると困っちゃうけど、ここはあの場所と似ているんだ。

深い深い海の底、誰からも忘れ去られた魚達が泳ぐ場所。
私が初めてクロハに会った、事の始まり。

きっとお父さんもまだ見つかってないことだろう。

モモ「のど、乾いた。」

考えたってこの状況は変わらないんだ。もうやめよう

それにしても、皆はどこへ行ったんだろうか。

こういうの、考えないほうがいいかもしれないけど。あと何人いるのかな…?

団長さん、カノさん…

私はもう二人が殺された時点で逃げ出しちゃったけど、

少なくともあの二人が助かることはもう…

あぁもう!なんでこんなことになっちゃったんだろう。

小さい頃はお兄ちゃんと比較されて、劣ってばっかだったのになぁ

この能力のおかげでアイドルになれたって言っても嫌なことばっかりだし…

中傷、妬み、ストーカー、人の目…

モモ「〜〜〜!!私のこんな力なんていらないから!皆を返してよ!!」

たまらず叫んでみる。

皆ってなんだろう。まだ死んでるのは二人だけだよね…?

そう信じてない自分がいるんだ。

もうヤダ…

クロ「願いを叶えといて新たな願いがそれかよ。バカバカしい」

モモ「!?クロハ…」

クロ「おっと、そう固くなるな。願いを叶えに来てやっただけだ」

モモ「なんであんたがわざわざそんな事…ってか、え?ほ、本当に!?」

クロ「あっはははははは!!う・そ((ﾆﾔｯ」

モモ「〜〜〜〜〜〜〜!!」

期待しちゃった。なんて単純なの、私って。

ただ単に逃げ道が欲しかっただけだろ、って?

うん、違うとは言い切れない。

クロ「何だっけ、お前の死に方…あぁそうだ。溺死、だっけ?」

((ﾊﾟﾁﾝｯ

モモ「っは!水、どこから!?ってか私、泳げない…」

それから、私が声を発することはなくなった。

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