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どうして離れたか聞かれて
意味が分からなかった
離れないと、ダメじゃん
悟が選んだんでしょ
そもそも、私がこんな形でしか
いられないのは
悟のせいじゃん
、、最低だな
私
勝手に勘違いして
傷ついて
悟を困らせている
きっと今まで通り
ビジネスパートナーとして良き仲でいたいんだ
私が子供だから
悟と悟のお嫁さんとか絶対見たくなくて
冷静でいれる気がしなくて
悟から離れた
悟の周りの人から離れた
確かに私は、離れたし、逃げている
自爆であることはわかっていて
それでも、私は悟の特別だったよねって
そう思いたくて
悟が私に何を求めているか聞いた
傍にいてほしいとか
ないかな
ないよね、別に
悟は、私の力、仕事しか見てないもん
あるはず、ないのわかってて
なんで聞くかな、私のバカ
ばかAって、よく言われてたな
あの時の悟の優しい目は
あったかい目は
もう、向けてもらえることはない
お嫁さん、ほんとうらやましい
かわいかったしな
血なんて見たことないんじゃないかみたいな
幸せの国のお姫様だ
私とは、違う
突然冷たい笑い声が聞こえて
驚いて顔をあげたら
消えてしまいそうに儚い顔をした悟と目が合って
嫌なら避けろと言われ
口付けられた
抱きしめられて
髪を梳かれて
その全部が悲しくて
まるで最後のようで
もう二度とないとわかっているそれは
思わず縋りたくなるくらい残酷で
離れた体が
もっともっとと悟を求めていて
最後に言われたはっきりとした
ビジネスパートナー宣言に
悟の姿がなくなったその場で
崩れ落ちた
思わず笑えて来る
バカだな私、離れても会えなくても
全然悟のこと好きなままで
変われてないじゃん
この思いをぶつけたくて仕方なくて
スタジオにこもって
音楽を作り続けた
それから数年、最近も相変わらずの日々
津美紀とは交換日記のように
文通をしている
顔を見なくても、二人の学校の様子は
代わりに見守りを頼んだ
補助監督から報告がある
学校の手紙も読んでる
お弁当が必要だと言われれば
張り切って二人の好きなものを詰め込む
悟が来ると書いてある日は
おいしいって言って全部食べてくれた姿を思いながら
多めにご飯を作る
もう少しで誕生日の津美紀に欲しいものを聞けば
コンサートチケット
それ、私のコンサート、
顔出ししていないので
私ということはバレていないけど
曲を聞いてくれてるんだなと思うと嬉しくて
当日姿を変えればいいやと思い至り
特等席のチケットを用意した
反応が楽しみ
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作者名：りん | 作成日時：2021年7月19日 0時
