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『ここ、かな?』
体育館の入口をあけ、武道場まで歩いていく。
ここ、夢ノ咲学院アイドル科には女子生徒がいないから、入学式の時からずっと視線を感じる。
同級生からも上級生からも視線を感じる。別にどうでもいいけど……
『あれ、確かあの人…………南雲……鉄虎君?』
振り向いた男の子はやっぱり、同じクラスの南雲鉄虎君だ
『こんにちは〜!鉄虎君も空手部?』
「えっ!?ち、ちわッス!!確か……梍さんでしたよね?」
『うん!ていうか同級生なんだから名前で呼んでくれていいのに……』
「す、すんません!俺、女子と話すの慣れてなくて……梍さんっ……じゃなくてAさんも空手部っスか?」
『うん。それしか取り柄がないからね〜』
「そんな事ないと思うっスけど……」
軽く世間話をしていると、いきなり道場の扉が開いた
「いつまでそこにいるつもりだ?さっさと入れ……」
背の高いヤクザが立っていた。その口元には血がついていて、わたしの生存本能が逃げろと忠告する
『い、い命だけは……』ブルブル
南雲:「ど、どうしたんスか!?子鹿みたいに震えて……」
鬼龍:「2人とも新入生か?歓迎するぞ。さ、入れ」
『い、今お金は持ってないです…』ブルブル
鬼龍:「いや、金は取らねーけどよォ……って、お前、あの時の!」
『ひぃぃ!命だけは!!』
南雲:「あのぉ、先輩の口元、なんかのソースが付いてるっスよ?だから怖がってるんじゃないっスか?」
鬼龍:「あぁ、これか……昼に食ったミートソースが付いちまったんだな」
ミートソース!?なにかわいい事してんのよ!
『ご、ごめんなさい……てっきり人の血かと思って…』
鬼龍:「ん?はははっ!おもしれぇ女だな……お前、名前は?」
『梍 Aです………』
南雲:「お、俺は南雲鉄虎っス!」
鬼龍:「そうか"さいかち"ってどういう字を書くんだ?」
『えっと、木へんに、白に、七です!』
鬼龍:「へぇ、難し字を書くんだな……お前空手の経験あんのか?」
『はい!あります!』
南雲:「お、俺もあるッスよ!!」
鬼龍:「じゃ、さっそくやるか!着替えてこい!」
『あっ、はい!』
南雲:「2人とも……俺を忘れてるっスね……」
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碧生 - 凄い面白かったです!続き待ってます! (2021年3月3日 20時) (レス) id: 7ffc4172b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クテシフォンらるるん | 作成日時:2021年3月3日 9時