旋風2 ページ3
でも、平和な日常は長くは続かない
いつも隣にいたはずの零さんは、2年生に上がると5奇人と呼ばれるようになり、いつしか学院トップになっていた
私なんかが横を歩くのが悪く思えるほど、零さんは輝いていた
しかし、奇行は悪い意味で捉えられることもおおく、5奇人に対抗すべく青葉つむぎ率いるfineが立ち上がった
今まで主人公は5奇人だ!という風潮だったのに、fineが出てきた瞬間、主人公はfineだったかのように…5奇人が悪者のかのように扱われ始めた
零:「…………」
『……れ、零さん?』
「アァ!?うっせーよ!俺に構うんじゃねェ!」
日に日に零さんの態度が冷たくなっていった
Fineのせいだからなのか、私を嫌いになったからなのか分からない。
ただ、ここ最近はカリカリしてて、すぐに怒るし、八つ当たりも増えたように感じる
『ちょっと距離を置いた方がいいのかな……』
私はこの時、考えても見なかった。あんなことになるなんて…
たとえ嫌われても距離を置かなきゃ良かったと後悔するようになるとは、思ってもいなかったから
5奇人がfineに倒されたのは、その数日後だった
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零side
奇行が目立った俺たちは一線を置くことにした。それで納得したはずなのに、天祥院英智が気に食わないからなのか最近はイライラする
いつも一緒のAでさえ、煩わしくなるほど。
なよなよした態度にイラつく。凡人風情が!と内心で嘲笑もした。それを言い訳に八つ当たりもした。
ほんと、最低だ
でも、Aはどんなことがあっても俺を見捨てないとどこかで期待してた
俺から冷たい態度をとったくせに……
自分でも呆れる。
冷たい態度をとった結果、距離を置かれて……
Fineが学院の頂点にたった今、俺に残されたのは虚無感だけだった
そして、俺はまた八つ当たりをしてる
「俺が今、イラついてる原因はAが俺を突き放したせいだ」と勝手に妄想してる俺がいる
ほんと、めんどくさい男。束縛欲もいいところだ
俺は留学しなきゃいけない理由があることを理由に海外へ出ることにした。
留年を決めた。これで、戻ってきたらAが居なくなってることを願って……
あぁ、俺、Aが好きなんだなぁ
本当は、Aに距離を置かれて悲しいんだな…
束縛欲、歪んだ思いしか持てない俺が、本当に憎かった
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作者名:クテシフォンらるるんらるる | 作成日時:2021年5月12日 7時