千秋さん！私、アイドル嫌いなんで！ (ページ16)

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カフェでバラを眺めながら、コーヒーを啜る

温室から見上げる空は青く澄んでいて、雲ひとつない晴天が広がっている

深呼吸すると、バラの香りとコーヒーの香りが鼻腔をくすぐる

遠くの校舎からはアイドル科の歌声が聴こえる…

とても懐かしい。私が夢ノ咲学院にいた時はアイドルが嫌いだったし、後輩にもガン飛ばして同級生にも性格悪くしてたな………恥ずかしい

お父さんとお母さんは、今どこにいるのだろう……
会いたいとは思はないけど、時々そんなことを考える

私は、千秋さんが居なかったら死んでいただろうな………

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親に刺された前日、2週間ぶりに学校へ行った

学校を休んでいた2週間は、殴られた痣が消えなかったため、仕方なく休んでいた。

でも、学校へ行く日の朝、お父さんがいつも以上に怒っていて、久しぶりに母を殴っていた。その手には灰皿と火の着いたタバコがあった

母はなんとか自室に逃げた。すると、父は私にタバコを押し付けようとしてきた。

殺される！そう思った私は急いで学校に向かった

千秋さんに助けを求めようとしたけど、いつもの癖で冷たい態度をとってしまった。あの時、助けを求めていたら刺されなかったかもしれないのに

家に帰ると父も母もいた。父は私に気づくと、いつものように殴りかかってきた。

でも、その日は母も暴力に加担してきた。

怖かった。母に殴られるのは初めてで、凄く怖かった

あまりの恐怖に外へ逃げようとすると、通報されると思った父が包丁を持ち出した

そのまま何回か胸やお腹を刺された。死ぬかもしれない。そう思った時、

｢気付いてやれなくてすまない。もう大丈夫だ｣

という、千秋さんの優しい声がフラッシュバックした

｢ヒーローとして困ってる人を見捨てるなんてやっちゃいけないことだ！｣

そのセリフを思い出して、私が死んだら千秋さんが責任を感じてしまうだろうと思った

だから、力を振り絞って大きな声で叫んだ。そこからは記憶が無い。

目が覚めると病院のベットにいて、千秋さんが大きな声で喋っていた

『ウザっ』

心の底から出た本音だった。

私が今生きているのは千秋さんのおかげとも言える。命の恩人だ………

『千秋さんに……早く、会いたいな…………』

守沢:｢ま、待ったか？｣