疵痕 ページ8
漸く気付いたのですがこの話かなり色んな所に無理矢理感ありますね。まじすんません。
花が完全に枯れる前に、数本は押し花にした。流石にハンジにも引かれそうなので、全て執務机の引き出しの最奥にしまい込んだ。
そういえば奴は、Aを調査兵団の拠点に連れて来たとか言っていた。俺の仲間に会わせようなどお節介にも程がある。
仲間。
アイツらは、今頃雲の上だろうか。
.☆.。.:*・°.☆.。.:*・°.☆.。.:*・°.☆.。.:*・°.☆.。
またある日の街中。私は兵長さんを見かけ、彼の元へ駆けて行った。
「へいちょうさん!」
「Aか。__今日も花か」
「ううん、今日はわたしのお菓子、ひとつ分けてあげる!はいこれ」
「ビスケットじゃねえか…良いのか」
「いいよ!あまいものはそんなに食べられないけど…へいちょうさんと一緒に…食べたかった、から」
最後の方は自分でも顔が赤くなるのが分かった。でも本心だ。暫しの沈黙が流れた。
__と。彼はぽんぽんと私の頭を撫で、土手に座ってビスケットを齧り始めた。
「…!」
「食わねぇのか」
「あ、いや…食べる…!」
彼の右隣に座った。
サクサクという美味しそうな音が鳴り止んだ後に、二人並んで歩きながら彼は尋ねた。
「この前拠点で誰に会ったんだ」
「えっとね…104期の人と、はんじ班の人と、だんちょうさんに。急に訊くなんてどうしたの?」
(リヴァイ班の名前は無い)
「へいちょうさん…?」
あまりにも悲しそうなその人の目を見て、思わず呼びかけた。が、相変わらずその人は視線を合わせない。
(アイツらにも、会わせてやりたかった__)
「へいちょうさん!」
「!」
「やっとこっちみた…なんかすごく辛そうだけど、どうしちゃったの」
「__、、何でもねぇよ」
「ほんとに?」
「ああ、何でもねぇ」
と、言う割にはまだ悲しげな兵長さん。
水臭い。
そんな語彙は子供の私には無かったけれど、彼のそんな顔は見たくなかった。
気付けば私は、彼の腰に手を回していた。
「__何のつもりだ」
「おかあさんが、よくこうやってくれるから」
「…」
「…こわい夢をみた時、風邪引いて寂しい夜__こうしてもらうと落ち着くの」
彼は答えない。が、体が一瞬ぴくっと動くのを感じた。
「へいちょうさんも…これでもう、寂しくないでしょ?」
「…!」
彼の表情が崩れ、いつもの冷たくて温かい色が目に戻った。
私の頬も自然と綻んで、更に腕の力を強くした。
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あーる(プロフ) - 琴さん» ありがとうございます!!!!!まだまだ序盤ですが更新コツコツ頑張ります🥹 (12月16日 21時) (レス) id: 4a598cc49e (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - やっぱりあーる様の作品はめっちゃ面白いです! (12月16日 21時) (レス) @page4 id: e939615bba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーる | 作成日時:2023年12月15日 15時