持病持ちの少女は○○団から裏切られました

過去１１ ページ44

近寄んな。

触んな。


そう思ったって、実際口に出たわけじゃない。


睨みつけられたわけでもない。



ここがどこなのかわからないのに、
絡まれるとかサイアクだな、なんて。



？「なんか言えよ、嬢ちゃん


無言は肯定と、とるけど？」



一歩。


距離が短くなる。



タバコに混じる、加齢臭。


鼻を手で覆いたくなるのをなんとか堪える。




？「なあっ！！？」


なにも言わない私に嫌気がさしたのか。


私を殴りつける。

あまりの痛みに体をよじる。




「っ！！」



？「おい、黙ってねぇで・・・」



もう一度殴るのだろうか、手を挙げる。





ぎゅっと目を瞑る。









・・・・あれ？









？「ひっ！！！なんだよ、お前！！！」





うっすらと目を開けると、そこにはと逃げていく男と一人の男の子。






私と同じくらいの、猫っ毛の男子。






？「ねえ、大丈夫？」







「へ？あ、はい」





？「なんで敬語www」





あれ？この人・・・・。






「どこかで会ったことあります？」






？「え？？？？」





この人の笑顔。





何か裏があるような、隠し事をしているかのような、そんな顔。





私は、あんまり得意ではない顔。




？「え、本当に覚えてないの！？さっきあったんだけどな」




「ごめんなさい、どうやってここに来たのかすら思い出せなくて・・」

裏切り２３→←過去１０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す