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吸血鬼が目覚める夜 (2) ページ20

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返ってきたのは、全く予想通りの言葉だった。



「そうか。我輩のことを知らんのか……我輩もまだまだじゃのう♪」

「す、すみません……」



最初は大好きな存在にバクバクしていた心臓だったが、少し経てば慣れてきて、猫をかぶる余裕も出てくる。

オタクだと隠している理由、“朔間くんにあった時、完璧美人の方がオタクよりイメージ良いから”というのも、半分嘘だがもう半分は本当だ。

せめて悪印象を与えないよう、完璧な演技を通そう。そう決意する私だったが……



「我輩は朔間零。夢ノ咲学院アイドル科の生徒で薫くんと同じUNDEADというユニットに所属しておる」

「よ、よろしくお願い……」








「……なぁんて言うと思ったのか?メス猫が。」








気づいた時には、先程と同じ景色など消えていた。

私の瞳に映るのは、息を呑むほどに美しい顔。そして、鮮血と同じ色をした目。


率直に言えば、なぜか私は朔間零に押し倒されていたのだ。



「さ、さくまさ……」

「真逆バレてないとでも思ったのかよ。あぁ?

傍迷惑な手紙を毎日毎日よこしやがって……あれ読むの意外と大変なんだぞ」



その言葉に、私の呼吸が止まったのは言うまでもない。比喩ではなく、本当に止まったのだ。


バレてる……。

絶対に破られないはずの私の演技が、彼には通じていないの……!?



「あ、あの……とりあえずどいてもらっても……」

「はぁ?何言ってんだてめぇ。どいたら逃げるだろ〜がよ」



これはファンとしては最高のサービスだ。

ニヤリと口角を上げたその唇も、おじいちゃんキャラの時とは違う昔みたいな口調も、その声も全部、世界最高峰のファンサだと思う。


だけど、取り敢えず。



「ドキドキしすぎてまた気絶しそうなんですけど!!」



らしくもなく真っ赤に染まった頬。

今一度、言おう。(自分で言うのは不本意だが)



「『女神・観月A』はキャラであり、素では無い!!こんなことされたらドキドキで死んじゃうから!!」



私は全力で、叫んだ。



「……ほぅ?随分お早い自供じゃね〜か」



……………否、叫んでしまったのだ。




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お礼の言葉→←吸血鬼が目覚める夜 (1)



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とわね(プロフ) - とても惹かれる作品です!更新頑張ってください! (2018年8月18日 16時) (レス) id: 1958dfbf36 (このIDを非表示/違反報告)
リッコ(プロフ) - ラムネを制する者さん» 本当だ……すごい間違いをしてしまいました。ごめんなさい。ご指摘ありがとうございます(^-^) (2018年8月10日 20時) (レス) id: d3767f5969 (このIDを非表示/違反報告)
ラムネを制する者(プロフ) - すごく好みのお話で楽しく読ませてもらっています!吸血鬼が目覚める夜(3)の零さんの台詞の『ならぱ逃げなけれぱよい』なんですが『ならば逃げなければよい』なのでは?間違っていたらすいません! (2018年8月10日 18時) (レス) id: f868d1ea51 (このIDを非表示/違反報告)
リッコ(プロフ) - フラッペさん» お褒めの言葉、ありがとうございます!初作品ですが、“丁寧”を意識してこれからも頑張っていきたいと思います! (2018年8月10日 11時) (レス) id: d3767f5969 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ - こういう細かな文章とても好きです。キャラ一つ一つの感情も伝わってきますし、かく現場も想像できていいですね。おじいちゃんの零先輩も俺の方の零先輩も大好きなので続きが気になります……♪ (2018年8月10日 10時) (レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リッコ | 作成日時:2018年8月7日 17時

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