仕事_118(2019/2/11 一部訂正) ページ22
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漣 side
「………はぁ」
上司に報告すべく、一人になれる場所を探す。
あの三人に押し負けた俺は、彼女の頼みを聞くことにした。
とてつもない無理難題に変わりはないんだけど、マイフレンドがあそこまで熱心に頼んでくるもんだから、つい…
漣「…ほんと、変わったよ、君」
昔は何事にも興味をもたない、ただの仕事バカだった。
それが今ではどうだ。付喪神を想い、滅茶苦茶な頼みをしてまで人を救おうとしてる。
…それがあの人間だってのは気にくわないけど。
《＿＿＿》
上司《ちょっと、あんた今愛しの部下のとこにいるの？！ねぇ、あの子は？
《落ち着きやがれください。マイフレンドは無事ですよ。てかボス、会議はどうしたんですか》
上司《龍神も巫女もいないから一時中断してるの！》
《ふーん。あ、そうそう。マイフレンドがあんたに頼みたいことがあるらしくて》
上司《…え…あの子が、私に、頼み事？？うそ、待って、テンション上がるんだけど》
《内容聞いたら発狂するかもしれませんよ》
上司《なになに気になる！愛しの部下の頼みなら何でも聞く！》
《はぁ……あいつの頼みは＿＿》
＿『この世を去った人間の魂を、一度だけ地に降ろす』＿
＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿
A side
彼の心の傷を治すのはきっと私一人では限界がある。彼の一番の理解者は後にも先にも、母親しかいないのだ。
ならば会わせる。
一度“あちら”に送られた魂を“こちら”に戻して。
上の神々への説得は上司に任せ、私は必要なものを集めるためにひのとの部屋へ来た。
『必要なのは、二人に関係する物、だったか』
二人が出会う際、媒体となるものがいるらしい。
手始めに積まれていた箱を覗いてみるが、中身は呪具ばかりだった。
『簡単には見つからないか…』
次の箱に視線を移そうとした時、視界の隅で何かが光った。
見ると、呪符の下に小さな鏡が転がっている。
丸い、手持ち鏡だった。手持ちといっても、私の手におさまるぐらいに小さい。
『………』
確か人間は、死んだ人の持ち物を大事に保管しているのだよな。遺品、といったか。
これが遺品なのかはわからないが一応持っておこう。
誰かが走ってくる足音が聞こえたのは、鏡を
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作者名：葛の葉 | 作成日時：2018年12月16日 16時
